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長崎・茂木小でクジラ料理教室 児童ら26人が長崎の食文化体験

料理教室の様子

料理教室の様子

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 クジラ料理教室が1月30日、茂木小学校(長崎市茂木町)で行われた。

平戸市生月町の伝統的なクジラ料理「じりじり」

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 長崎は歴史的にクジラとの関わりが深く、祭りや工芸品など市民生活にも根付く。正月や祝い事の際にはクジラが食卓に上がるなど鯨肉は親しい食べ物だったが、近年、特に若い世代でクジラを食べる機会が減少。長崎独特の食文化が薄れつつあることから、長崎市では2006(平成18)年から鯨肉を学校給食物資に登録。翌年、市内の小中学校の学校給食で提供を開始。親子鯨料理教室や市内飲食店でくじら料理フェアを実施するなど取り組みを続けてきた。

 学校向けに毎年1、2校の学校で実施してきた料理教室。本年度は同校と1月24日の形上小学校(琴海形上町)が実施校に選ばれていた。

 料理教室には同校6年生24人と南小学校(千々町)の2人が参加。料理研究家で長崎女子短期大学元教授の脇山順子さんが講師を務めた。脇山さんは長崎の鯨食文化やクジラの栄養とその効果などに関する講義を行った。長崎ではクジラを「勇魚(いさな)」と呼び、正月に鯨重、節分にクジラの腸の塩漬けをゆでた「百尋(ひゃくひろ)」を食べるなど行事に合わせてクジラを食べ、「いいことがありますように」と願ってきたことを伝えた。その後、平戸市生月町の伝統的なクジラ料理「じりじり」を実演した。

 じりじりはクジラの本皮とタマネギ、ニンジン、白菜などの野菜とともにそうめんを炒め、砂糖やしょうゆなどで甘辛く仕上げたもの。クジラを炒めるときに油が出て「じりじり」と音がすることに由来する。

 調理実習ではグループに別れた児童らがテーブルごとに調理を行った。児童らは「クジラが固くて切りにくい」とやや苦戦しながらも料理を仕上げた。ある児童は「クジラを食べることはなかなかないし、大人の食べ物というイメージがある」と話す。

この日は給食に「クジラの香味和え」も提供。児童らは自らの手で作ったじりじりとともにクジラ料理を味わい、「クジラって、おいしい」という声が聞かれた。

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