「九州高校生SDGsサミットin長崎」が7月27日・28日、長崎市市民会館(長崎市魚の町)で行われた。
長崎市野母崎で海岸清掃活動を行う長崎の市民団体「team長崎シー・クリーン」と熊本県八代市を中心に球磨川や八代海の環境活動を行う「エコユースやつしろ」を運営する「次世代のためにがんばろう会」が主催する同イベント。両団体の交流の中で、SDGsの中でも気候変動や環境問題に焦点を当て、青少年に重要性や取り組み方を伝えるイベントを企画。昨年7月に「SDGs未来キャンプ in 長崎」を行い、11月に同イベントを八代市で初開催。今回が2回目となる。
両団体のメンバーのほか、城東高校(福岡市東区)と新宮高校(福岡県新宮町)などから50人ほどが集まった。1日目はアイスブレークとして、team長崎シー・クリーンが取り組む清掃活動や海洋ごみ問題を周知するための取り組みについて発表したほか、エコユースやつしろの取り組みと成果を紹介。新宮高校が行う海岸調査の結果も発表した。環境省九州地方環境事務所の神松幸弘さん、農林水産省九州農政局長崎拠点の野村正子さん、国土交通省九州地方整備局の古川貴博さんが、海洋ごみ問題をテーマに各省庁での取り組みを踏まえた発表も行った。
中島川周辺の地域で行ったフィールドワークでは、長崎県環境アドバイザーを務める中原泰彦さんが中島川の生き物を捕まえて環境指標などと共に紹介。ややきれいな水域としてホタルのエサになるカワニナなども生息していることなどを説明。長崎市議会議員でまちづくり活動にも取り組む森恭平さんが、中島川のそばにある中通り商店街や浜町商店街、江戸町商店街を案内しながら街の商店主とともに地域の活動などについて紹介した。
2日目は傾斜市街地を活用した市民農場「さかのうえん」(中新町)を運営する景観まちづくり団体「null長崎都市・景観研究所」代表の平山広孝さんと、「長崎という自分の街を知ろう」をコンセプトに1987(昭和62)年から「長崎ウーマンズ・ウォークラリー」を毎年開催している竹中晴美さんが、これまでの取り組みを紹介した。
5班に分かれた参加者はプラスチックごみを減らすためのアクションプランをグループごとに考察し、環境問題ポスター募集で周知する活動や海洋プラスチックごみを使ったアクセサリー制作体験、海洋ごみ清掃で集まったごみを分類してスタンプ形式で可視化する方法などのアイデアを発表した。
team長崎シー・クリーン代表の出水享さんは「アイデアを出し合うだけでなく、その中から1つを決めて実施し、その結果を考察するところまでが目標。環境問題解決のために地域に暮らす人が地元への愛を持つことで、街も、環境も良くしようという気持ちが生まれるのではないかという思いから、地域で活動する人の話を聞いてもらう機会も設けた」と話す。「参加者からは『志が同じでも取り組む内容が違うので興味深かった』『仲間ができた』などの声も聞かれた。互いに刺激し合える場にできたのでは」とも。