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長崎市長に「伊王島日の出カマス」 旬を前に漁師ら贈る、市役所でランチも

食卓の日に提供した伊王島日の出カマスと夏野菜のおろしポン酢

食卓の日に提供した伊王島日の出カマスと夏野菜のおろしポン酢

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 「伊王島日の出カマス」が旬を迎えるのを前にブランド化に取り組む漁師らが8月19日、長崎市役所で鈴木史朗長崎市長にカマスを贈った。

伊王島日の出カマスを使ったすし

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 豊かな漁場に恵まれた伊王島周辺では年間を通じてさまざまな種類の魚が水揚げされる。伊王島で飲食店を経営し、4年前から漁師としても海に出る小峰雅司さんが中心となり、「島の水産資源を生かし、水産業だけでなく観光資源にもつなげたい」と春と秋に旬を迎えるカマスを特産品として売り出す取り組みをスタート。昨年10月、西彼南部漁協がブランド魚「伊王島日の出カマス」として発足させた。

 「伊王島日の出カマス」は同漁協に所属する漁師が刺し網で漁獲し、船上で一匹ずつ丁寧に氷締めして、その日のうちに出荷したカマスのみに認められる。発足に合わせて昨年10月に開催した「伊王島豊漁祭」や島内で毎月開催される海の幸や農産物を販売する「伊王島朝市」などで販売してきたほか、市内飲食店での取り扱いも徐々に増え、認知も広がってきている。

 この日は毎月19日を「食卓の日」と定め、地元産の食材を使った料理の普及などを目指す長崎市の取り組みに合わせ、市役所3階の食堂で提供する限定のサービスランチで「伊王島日の出カマス」を使った料理を提供。長崎大学魚料理研究会が監修した「伊王島日の出カマスと夏野菜のおろしポン酢」(700円)を数量限定で提供した。

 提供に合わせて市役所を訪れた漁協関係者等が鈴木市長に「伊王島日の出カマス」を贈呈。同研究会会長の祝翔太さんが「身が崩れやすいカマスをおいしく食べてほしいと焼き・揚げ・蒸しと試行錯誤を繰り返した。食堂の坂本シェフのアドバイスも受けながら、あっさり食べやすく仕上げたジュレドレッシングにはバターと水溶き片栗粉を加え、コクととろみをプラスした」と鈴木市長に説明。試食した鈴木市長は「カマスの味の良さが引き出されている。自己主張が控えめな、あっさりとした味わいのカマスは、さまざまな料理で楽しめる可能性を感じる」と期待を込めた。

 「新鮮さが売りのブランドカマスの味を楽しんでほしい」と島内にあるリゾート施設「i+Land nagasaki(アイランド・ナガサキ)」の上野信二料理長が、前日夜に水揚げされたカマスを一晩寝かせて仕上げたカマスを鈴木市長を前に生や炙(あぶ)り、昆布締め、棒ずしなど6種類のすしに仕上げる実演も行った。すしを食べた鈴木市長は「長崎ならではのすしとして、新たな長崎の魅力になるのでは」と話した。

 これから本格的に旬を迎える伊王島のカマス。小峰さんは「今年の伊王島豊漁祭では島の周辺から長崎市内にかけての飲食店とタッグを組んで、それぞれの店の味でカマスを楽しんでもらうイベントも企画している。多くの人においしいカマスを味わってもらえるようにしたい」と意気込みを見せる。

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