「長崎みなと水産 平田屋」(長崎市深堀町)が今シーズン、養殖マガキ「浪漫(ろまん)」と「小雪」の一般販売を始めた。
社長の平田浩太郎さんは福岡県直方市出身でトラック運転手だったが、漁業体験で来崎。当時、漁協が試験的に取り組んでいたイワガキの養殖に興味を持ち、6年前、深堀のブランドイワガキを目指して本格的に事業を始め、2022年から「夏盛」と名付けて販売。年間を通してカキの出荷を目指し、マガキの養殖も試験的に始め、昨年2月に開催した「深堀恵比須カキ祭」で提供していた。
販売するマガキは品種改良により産卵しないことから一年中出荷できる「3倍体」と呼ばれる稚貝を海中につり下げて養殖後、一つずつに切り離してバスケットで育成。生食可能な「浪漫(ろまん)」と通常のマガキを同様に養殖した加熱用の「小雪」の2種類を用意する。
今季から一般販売を予定していたが、昨年夏から晩秋にかけて高水温が続き、カキの生育状況が著しくなかったことから、販売開始が遅れていた。12月に入って水温が下がり、生育が良くなってきたため、12月25日から31日まで「浪漫」のみ数量限定で販売した初回分は完売していた。
平田さんは「長崎市の新たなカキの産地を目指してイワガキに続き試行錯誤を続けてきた。出荷サイズを決め、カップが深くて身入りの良さを目指すことで食べ応えのあるマガキに仕上げている。ぜひ味わってもらえれば」と来店を呼びかける。
次回は「浪漫」(1個100円)の販売を1月18日に予定。「小雪」(1キロ1,000円)も生育状況が上向いていることから今月25日の販売開始を予定している。