長崎市出身の草場尚也さんの初監督作品「雪子a.k.a」が1月31日から、ユナイテッド・シネマ長崎(長崎市尾上町)で上映される。
草場さんは長崎市矢上町出身の33歳。映画美学校卒業後に映像制作会社に入社し、バラエティー番組のADやドラマの助監督など経験を積んできた。2019年に自主制作した映画「スーパーミキンコリニスタ」が同年の「ぴあフィルムフェスティバル」で日活賞とホリプロ賞を受賞し、第10回北京国際映画祭への招待を受けた。
商業映画初監督作品となる同作の主人公は東京で小学校教師をする29歳の雪子。本音を口にすることを避ける雪子が唯一本音をさらけ出せるラップだったが、思いがけず参加したラップバトルで否定され、自分と向き合うために自問自答しながら一歩前へ進むストーリー。現在は東京を中心に活動する草場さん。「自分と同じように地方出身で、東京で仕事をしている主人公のバックグラウンドを表現しながら、自分のルーツやアイデンティティーをたどり、自分探しをする作品を目指した」と話す草場監督。好きなヒップホップ・ミュージックや自身も小学校教諭を目指していた経験をかけ合わせた作品になっている。
雪子が参加するラップバトルのシーンでは対戦相手役に長崎出身のラッパー・カツヲさんが出演し、ライブハウス「BETA」(浜町)で撮影。このほか、長崎市内でロケを行い、路面電車での移動シーンをはじめ、矢の平町にある叔父の家や取り壊し直前の西洋館、錦町にある実家周辺など草場さんの思い入れのある場所を作品に取り入れているという。
「映画撮影を通じて多くの人の支えがあることを改めて実感した」と話す草場監督。「出身地・長崎の人にぜひ見てもらえれば」と来館を呼びかける。
上映は1週間程度を予定。2月1日13時からの上映後には草場監督とカツヲさんが登壇して舞台あいさつも予定する。