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長崎市が2024年度猫の殺処分ゼロ達成 愛護団体の努力も後押し

子猫にミルクを飲ませる山野さん

子猫にミルクを飲ませる山野さん

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 長崎市動物愛護センターが2024年度の猫の殺処分ゼロを達成した。猫の殺処分ゼロは初。

不妊去勢手術を行った目印として耳の先をV字にカットした「さくら猫」

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 捨てられたり、虐待を受けたりした犬や猫の保護や動物愛護の啓発活動などを行う同センター。収容数を超えた場合などに殺処分を行ってきた。環境省の統計では同市の猫の殺処分数はこれまでワーストトップクラスで、2022年度は全国の中核市でワースト3位だった。

 同センターではこれまでも民間の動物愛護団体とも協働して地域住民と連携して野良猫を不妊化し、地域猫として管理する「TNRM」活動や保護猫の譲渡を推進するなどの取り組みを実施。昨年度は活動推進のためのクラウドファンディング(CF)型ふるさと納税を募集する取り組みも行ってきた。同市では昨年、殺処分の対象になりやすい乳飲み子の子猫を育てるミルクボランティア制度をスタート。公的な施設で対応の難しい授乳や排泄ケアなどを一定期間預かった民間の連携先が担ったことが殺処分を減らす大きな要因となった。

 同制度で第1号の認定を受けた一般社団法人「長崎さくらねこの会」はミルクボランティアの養成も担った。同団体では40匹以上の子猫を預かり、大きくなった子猫の多くが譲渡会で新たな飼い主の元へ引き取られた。地域猫活動でスタートした同団体は2022年に一般社団法人化。活動を行うなかで、「シェルターや野良猫の不妊化を行うクリニックの必要性を感じ」、クラウドファンディングで支援を募り、2023年に譲渡型保護猫シェルター「咲く猫Plus」を、昨年には野良猫の避妊去勢クリニック「長崎さくらねこクリニック」(以上、長崎市香焼町)を開設した。代表の山野順子さんは「猫の繁殖力は想像以上に高い。一般社団法人化したことで行政との協働を進めていくなか、どんなに不妊化を進めても毎年子猫が生まれてしまう。不妊化だけでは不幸な命をゼロにはできない」とミルクボランティアの必要性を訴えてきたという。

 鈴木史朗市長は3月27日の定例会見で、殺処分ゼロの継続に取り組んでいくことを表明している。同団体では現在、殺処分ゼロの継続に向け隔離室や酸素室の整備などシェルターを拡充のため、CFに再挑戦し、協力を呼びかけている。山野さんは「長崎市では2023年9月から猫の殺処分ゼロが継続しており、統計としてようやく公表された。年間4000匹以上の猫を殺処分してきたこともあるこの街が共存に向けて一歩を踏み出すことができたのでは。今こそ継続していける環境をつくり、動物愛護の現状を変えるチャンス」と意気込む。CFは4月22日まで。

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