学ぶ・知る

長崎・桜町で「多様化する学び」考える講演会 フリースクール代表が企画

来場を呼びかける岩村さん

来場を呼びかける岩村さん

  • 3

  •  

 「第2回ながさき教育博」が12月20日、長崎県勤労福祉会館(長崎市桜町)で開催される。

[広告]

 「教育の未来を考える大人の会 長崎会」が主催する同イベント。同団体では「多様化する学びのリアル」をテーマにこれまで長崎県内各地で4回、長崎市でも今年8月にイベントを行ってきた。

 同団体代表の岩村考治さんは群馬県の小・中学校の教員として15年間勤務。教員時代に携わってきた「クラス運営の核となる集団づくり」といった学校のシステムに「違和感と限界を感じてきた」という。2019年、「幼稚園児の息子をより良い環境で育てたい」と移住体験で訪れた南島原市の豊かな自然に一目ぼれし、移住を決意。北海道に住む友人の学校づくりプロシェクトを手伝ったことがきっかけで、「自分ならこうするという理想を100%体現する学校をつくる」と教育に関わる生き方をしようと決め、2021年4月にフリースクール「ピカピカがっこう」(南島原市)を開校。現在、長崎市内で新たにフリースクールの開校を目指している。

 講演会では「子どもへの接し方や育て方」をテーマに岩村さんと、長崎県公立小学校現役教諭の水田秀明さん、「自分の在り方」を極めたいと不登校の道を選んだ中学生の若杉金太郎さん、昨年川棚町でフリースクールを立ち上げた一般社団法人「かわたな夢キッズ」代表理事の荒瀬奈穂子さんがそれぞれ、講演を行う。パネルディスカッションや交流タイムなども設ける。

 文部科学省の統計では2024年の長崎県内の公立校での不登校児童生徒数は4113人と過去最高を記録し、年々増加傾向となっている。岩村さんは「『学校に行けない』というだけでなく、自らの意思で『学校に行くことを選ばない』という子どもたちもいる。人間関係ややらされ感だけでなく、集団に合わせた指導方針から授業についていけなくなる『落ちこぼれ』だけでなく、勉強できるが故に退屈になってしまう『吹きこぼし』という存在など不登校になる理由も多岐にわたっている」と話す。「不登校の子どもが増える一方で学校と学校外の場所をつなぐことができておらず、受け皿が圧倒的に足りない」とも。

 「ネットに情報があふれ、子どもたち一人一人がそれぞれ考えを持っている中で一対一の対話が重要だが、学校教育では難しい。義務教育の制度そのものが維持できなくなりつつある」と話す岩村さん。「イベントを通してまずは教育や学び現場の現状を知ってもらいたい。子どもとの関わり方に課題を抱えている親や教育関係者をはじめ、多くの人に足を運んでもらえれば」と来場を呼びかける。

 開催時間は13時30分~16時30分(13時15分開場)。参加費は、大人=2,000円(前売り1,500円)、大学生=500円、高校生以下無料。申し込みフォームで受け付ける。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース