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県美術館で「長崎ミライ教育EXPO」  フリースクールのあり方伝えたい

来場を呼びかける牛津さん(左)と光岡さん

来場を呼びかける牛津さん(左)と光岡さん

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 「長崎ミライ教育EXPO2024~希望のキッズゲルニカ~」が4月9日から、長崎県美術館(長崎市出島町)で開催される。

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 時津町浦郷で学習特化型フリースクールを運営するNPO法人「conpeito」が主催する同イベント。代表理事の牛津理美さんは長崎市矢上町と時津町、長与町の3カ所で学習塾「学習アトリエCOR」を運営していたが、同所に通う子どもたちの声からフリースクールの必要性を感じ、2022年1月に時津町にフリースクールを開校した。

 「フリースクールというと『不登校の子どもが行くところ』『カウンセリングなどを行う支援施設』といったネガティブなイメージがつきまとうが、本来は学校外の居場所として子どもたちが主体となって自由に学べる場」と話す牛津さん。「本来のフリースクールの姿を数日だけでも体現し、伝える機会にしたい」とイベントを企画した。

 自身の祖父母も被爆体験者という牛津さん。これまでも平和教育の発信に尽力してきた一方、「長崎では第二次世界大戦と原爆投下が一つのことと扱われがち」と感じ、「被爆地としての悲しい歴史を受け継ぐだけでなく、広く世界に目を向けて平和について考える場を設けたい」と平和教育ワークショップのプロデュースなども手がけてきた。

 世界的画家・ピカソの代表作「ゲルニカ」にちなんで同作と同じ縦3.5メートル、横7.8メートルのキャンバスに子どもたちが平和へのメッセージを描く国際的な取り組み「キッズゲルニカ」もその一つ。東京にあるピカソの母国であるスペイン王国大使館も牛津さんの活動を知り、子どもたちの作品をスペインの「ゲルニカ展」に出展するなど活動を後押ししてきた。

 イベントではキッズゲルニカ展を開催。世界中で描かれたキッズゲルニカ作品を一堂に集め、制作当時の写真などとともに展示することで世界の架け橋となる国際プロジェクトの取り組みを発信する。

 同13日・14日には体験型教育プログラム「学ぶっておもしろい! まるごと学校 in 長崎県美術館」も実施。「心を動かすことが教育である」という考えの下、各分野の専門家を講師に「垣根のない学び合いの場」を目指す。授業内容は画家の辻本健輝さんを講師にピカソの絵から学ぶアートワークショップや英語講師のLesさんと八木海平さんによる「言語の壁の乗り越え方」などさまざま。受講無料。ウェブサイトで予約を受け付ける。誰でも見学できる。

 開館時間は10時~20時。入館無料。同14日まで。問い合わせはconpeito(TEL 080-9247-2921)まで。

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