NBC長崎放送のラジオ・テレビアナウンサーが総出演して芝居やコント、朗読劇などを披露する人気イベント「アナアナ大作戦」が12月18日、NBCビデオホールで開催された。10年目を迎える今年で最後の公演となる。
「アナアナ大作戦ファイナル」パブリックビューイングとパネル展
観覧チケット応募総数約3000通の中から抽選で当選した600人の観客が、最後の舞台を見送った。
公演では、1923(昭和3年)に刊行された写真画集「長崎」や幕末の長崎の人物などを取り入れ、異国情緒を感じさせる5つのオリジナルストーリーを展開。10年間の公演で人気シリーズとなった林田繁和アナウンサーが扮(ふん)する「15秒マン」と村山仁志アナウンサーが扮する「村山院長」が登場すると会場が笑いに包まれるなど、舞台と観客が一体になって進行。シリアスな場面では涙ぐむ姿も見られるなど、普段テレビやラジオでは見ることができないアナウンサー10人の熱演を楽しんだ。
同イベントは、2002年に林田さんと村山さんが「NBCでしかできない何か面白いことをやりたい」と考えて始めた「男子アナ天国」が最初。5回目からは同局のアナウンサーが総出演することになった。年々観覧希望者が増加し、10年間の観客動員は延べ5000人にも及ぶという。
脚本から演出まで林田さんと村山さんが担当し、音楽もオリジナル。練習は通常業務が終わってから行うため、毎日深夜まで及んだという。
「アナウンサーとして入社したのに、どうして歌ったり踊ったりしなければいけないのだろうと最初は思ったが、やってみたらやみつきになってしまった」と友成由紀アナ。「ずぶとさはアナアナで培われた。まだ終わったという実感がない」と早田紀子アナ。2008年から出演した豊崎なつきアナは「林田さんと村山さんの期待に応えなければというプレッシャーと戦った4年間だった」と話す。
「10年間、通常業務をこなしながら準備にあたり、肉体的にも精神的にもきつかった。本番が一番楽しかった。このイベントが終わった来年のことはまだ考えられない」と村山さん。林田さんは「普段は別々に仕事をしているラジオとテレビのアナウンサーが一緒になって作る貴重なイベントだった。10年間で市民に定着し、自分自身もアナウンス技術の鍛錬の場となった。まだ続けてほしいという声をもらい、とてもうれしい。10年間応援していただき感謝の一言です」と振り返る。
当日は、同ホール1階でパブリックビューイングも行われ、10年を振り返るパネル展や来年開局60周年を迎えるNBCの回顧展も行われた。
アナアナ大作戦ファイナルの様子は、ラジオ(12月25日17時30分~)とテレビ(12月30日9時55分~)で放送される。