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「ヒロシマ・ナガサキ ダウンロード」監督、長崎で舞台あいさつ

舞台あいさつに立つ竹田信平監督

舞台あいさつに立つ竹田信平監督

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 長崎セントラル劇場(長崎市万屋町、TEL 095-823-0900)で上映されている「ヒロシマ・ナガサキ ダウンロード」の監督・竹田信平さんが4月10日、舞台あいさつのため来崎した。

「ヒロシマ・ナガサキ ダウンロード」で被爆者に話しを聞く竹田さん

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 18時50分の回の上映終了後にあいさつに立った竹田さんは「原爆が落とされた長崎で初めて劇場上映できたことに大きな意味がある」と話し、会場からの質問に答えた。

 竹田さんは大阪出身でメキシコ・ティファナを拠点に映像および芸術活動を展開。日本の美術館などでも芸術作品を展示する。

 長崎には17歳のときに初めて一人旅で訪れたという。その後、米国の大学を卒業し原爆をテーマにした映画製作に関わったことをきっかけに、2005年からアメリカ大陸に住む被爆者の証言を集め始め、同作品を製作した。

 「戦争の視点がない僕たちの世代が作る原爆に関する映画を作りたかった。原爆が落とされたという過去の記録ではなく、現代の問題として今に伝えなければいけないと思った」と、映画製作を始めたきっかけを話す。

 被爆者につらい体験を話してもらうことについて竹田さんは「話す人が安心安全な場所を用意する必要がある。心の中の繊細な部分に触れることになるので、聞く側の気持ちもしっかり整えておかなければいけない。僕たちは戦争を経験していないので、全てを共有することはできないが、共有できない僕たちでもつらさの接点を持ってもいいのでは。公開にあたっては勇気が必要だった。この映画は被爆者の方々とどう接すればいいのかを記録した、僕なりの提案の一つ」と、真剣なまなざしで来場者へ伝えた。

 舞台あいさつの後は、新社会人ネットワークの主催で、竹田さんを囲む懇親会を開催。20代から50代までさまざまな世代の12人の参加者が集まった。長崎で一般的に行われている平和教育と他県との教育の格差、震災被災地や東京などの状況、現在全国的に議論されているがれき受け入れに関する話し、竹田さんが京都や沖縄で発表する原爆をテーマにしたインスタレーションを紹介するなど、幅広い内容で交流が持たれた。

 竹田さんが記録した在米被爆者の証言映像は、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館(平野町)で閲覧することもできる。

 上映は今月13日まで。

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