長崎放送で珍蓄音機発見-フィルム状テープ付き、NBCラジフェスで展示へ

NBCの倉庫から発見された日本フィルモン社製蓄音機

NBCの倉庫から発見された日本フィルモン社製蓄音機

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 長崎放送(NBC、長崎市上町)の倉庫から、フィルム状のエンドレス型テープが装着された珍しい蓄音機が発見された。

フィルモン音帯の上にレコード針を置く

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 見つかった蓄音機は、日本フィルモン社製で1937(昭和12)年から1940(昭和15)年までの間に製造されていたテーブル型三球電気再生機。レコード回転盤の前面側に、フィルム状のエンドレス型テープが付いており、テープ上の溝にレコード針を乗せると再生する仕組み。10インチSPレコードで曲を流す際は3分程度の再生時間だが、このテープでは当時としては長時間となる36分間再生することができる。

 フィルム状テープは、日本フィルモン社が開発した「フィルモン音帯」という長時間レコード。セルロイド系の合成樹脂を素材にした幅35ミリ×長さ約13メートルのエンドレステープで30分以上の録音が可能だった。しかし、この音帯の生産期間はわずか1年間ほどだったという。

 同機材は、NBCラジオで9月15日~17日に放送する「NBCラジフェス60時間ラジオ」で展示するための古い放送機材を探していたとき、同社の倉庫から発見されたという。

 ラジオ制作部の平松誠四郎さんは「壊れていて再生できないのが残念だが、NBC開局60年を機に誰かに見つけてほしいと願っていたのかもしれない。眠っていた段ボールを開けると、埃(ほこり)をかぶった蓄音機が出てきた。回転盤の上に置かれたままになっていたのは、越路吹雪さんの『私は死にたい』というレコードだった」と笑う。

 NBC別館1階ABホールで、今回発見された蓄音機を含む、ラジオ放送の現場で2001年ごろまで使われていたソニー社製可搬型録音機(通称デンスケ)、1982年フォステクス社製リボンマイク、10年ほど前まで現役で使われていたオープンリールデッキなどの懐かしい機材や、同局の歴史を紹介する写真パネル、ラジオ長崎やラジオ佐世保開局当時の番組などの写真パネル38点も展示。同会場では15日、60時間ラジオ1日目の公開放送も行われる。

 公開時間は9時~20時。15日17時からは地元ミュージシャンの生ライブも予定する。

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