長崎の「りかちゃん通り」(長崎市万屋町ほか)の商店主らで構成する「りかちゃん通り向上委員会」が2月9日、初めての合同イベント「Ricachan Heart 2013」を行った。
アクセサリーショップ「ババール」で人気になった「カエルのリング」(6,825円)
同イベントは、通りの名称がついてから28年経ち、大人になった「りかちゃん」が5つの提案をする、「オトナりかちゃんバレンタイン」のスタンプラリーをきっかけにして、「普段訪れたことのない店を、ちょっとだけ覗いてもらうために企画した」と、同委員会の田中英敏代表は話す。13時30分の受け付け開始から順調に人が集まり、200部用意した台紙は短時間でなくなり、急きょ増刷する場面も。親子連れや女性同士のグループ、たまたま通りかかった年配の夫婦、外国人グループなど、さまざまな人がスタンプラリーを楽しんだ。
りかちゃん通りで23年間、アクセサリーショップを営む「ババール」を訪れた女性は、「初めて入ったが、1,000円代から手ごろな値段で珍しいアイテムもあり、とても楽しい」と話す。同店で一番人気があるという「カエルのリング」を見せられると、「かわいい。これ、ほしい」と声を上げ、一緒にいた女性も「本当にかわいい」と、店主の説明に聞き入っていた。
ビルの2階にある「道具屋 ふじの」を訪れた近くに住む男性は、「いつも前は通るので存在は知っていたが、中に入ったのは初めて。最近、欲しい道具があり、近くにあまりいい品物がないので、量販店で買ったばかり。こんなに近くに買ったものよりいい道具が揃っているなんて。もっと早く来ればよかった」と話す。同店を訪れた別の20代の女性は、「友人から今日のイベントを教えてもらった。いつも通るだけでどこにも入ったことがなかったが、個性的で楽しい店が多い。また来たい」とも。「特に宣伝はしていないので、口コミで来てもらう人がほとんど。今の形にして10年ほどになるが、こんなに次々に人が来たのは初めて。またやってほしい」と、店主の藤野佳子さんは話す。
夕方には、近所に住む猫のゆるキャラ「のんちゃん」も現れ、子どもから大人まで多くの人たちに手を振っていた。佐世保から来た親子連れの父親は、「大きな通りより裏通りが好きで、ここにもよく来る。ここでのイベントは初めてだが、これからもぜひやってほしい」と話す。周辺が薄暗くなると、学生などのボランティアスタッフらが前もってともしていた竹灯籠の明かりが、通りを歩く人たちの足元をほのかに照らし、幻想的な雰囲気を演出していた。18時からはスタンプラリーのプレゼント抽選会が行われ、各コースごとに抽選箱のくじを引く人たちから、当たった歓声や、外れたため息などが聞こえた。
20時のイベント終了後、スタッフらは竹灯籠を集め、「りか」の文字と「ハート形」で、「りかちゃん通り」への思いを表現し、記念撮影を行った。田中代表は、「第1回としては大成功だったと思う。参加店の人からも、近くなのに初めて入ったところもあり、とても勉強になったという声を多くもらった。反省点はたくさんあるが、真摯に受け止め次回に生かしたい」と、振り返る。