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長崎で演劇作品「今 伝えたいこと(仮)」上映-福島高校生の苦悩描く

福島相馬高校放送局の「今 伝えたいこと(仮)」

福島相馬高校放送局の「今 伝えたいこと(仮)」

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 アマランス「男女共同参画推進センター」(長崎市魚の町)研修室で4月4日、福島県立相馬高校放送局が制作した演劇作品「今 伝えたいこと(仮)」が上映される。主催は相馬高校放送局九州招聘実行委員会。

 同校は、福島第一原発から45キロの場所にあり、東日本大震災で地震と津波と原発事故の両方の被害を受けている。その状況下で実際にさまざまな葛藤や苦悩を味わっている女子高校生たちの体験を元に演劇化した同作を震災1年後から上演している。脚本は、高校生たちが震災体験を振り返って語り合い、自分たちの体験や思いを元に作り上げた。全国各地で上演され話題を集めている。

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 大震災から1年を経ても女子高生たちの話題は震災と原発の話。仲良し女子高生3人組でありながらお互いの被災状況に関しては触れずに過ごしてきた日常生活。ある日その中の1人が自殺した。「将来、結婚できないかもしれない」と言っていた言葉を思い出す。「原発は自分たちが選択した結果ではない。子どもの訴えを無視しないでください」。それまで、触れられなかった思いが明らかになっていく。

 会場では、同作の映像作品のほか、震災をテーマにしたテレビドキュメント「our(un)ordinary」「Girl’s Life in Soma」やラジオドキュメント「緊急時避難準備不要区域より」の上映を予定する。同高校放送局顧問の渡部義弘先生と1年生のときから震災体験を作品として表現してきた放送局員の生徒2人も来崎し、上映会後にトーク&交流会を行う。

 長崎では、原爆資料館の見学や被爆者との交流も予定する。今回の九州での交流体験を再び映像作品として表現することも考えているという。

 本上映会の呼び掛け人 石原明子さん(熊本大学大学院社会文化科学研究科・准教授)が災害問題に取り組むために被災地である福島を訪れた昨年11月に同局制作の音声作品に出合い、今年3月には演劇生講演を見たという。「発狂しそうな恐怖感を含め、『声にならない声』を描き出す彼らの作品に圧倒された。11月に出合ったとき、九州に呼びたいと思った。今福島で起こっていることを九州から理解するためにも、この作品の上映会と交流会を通じて、震災と原発災害下で起きていることに耳と目と心を傾け、私たちが置かれている現状と未来についてともに考えたい」と来場を呼び掛ける。

 時間は18時30分~20時30分。料金はカンパ・寄付制で1口500円から。収益は高校生らの交通費や宿泊費に充てられる。上映会は長崎の後、同5日に熊本県水俣市、6日には熊本市でも開催される。

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