長崎市の浜町アーケードにほど近い「はなぶさ写真社」（長崎市古川町、TEL 095-822-7479）が2月から始めたサービス「なりきり龍馬記念写真」が、観光客を中心に静かな人気を集めている。

着付けは10分ほどで、撮影時間は約3分。多い時は4～5組が重なることもあり、待ち時間が長くなる人には、近くにある「まちなか龍馬館を見学に行っては」と声を掛けることもあるという。衣装は大人用と子ども用があり、小道具には刀やブーツも用意。写真はCDデータ渡しとなる。撮影時間は全部で15分ほど。価格は1,575円。別途料金でプリントにも応じる。

「噂を聞きつけて訪れた人でも、実際に着物や小道具を身に着けて写真を撮るということまでは想定してない人も多く、ほとんどの人が感激して帰る」と、この道23年のベテランカメラマンの田代英樹さん。「最初は観光地の記念写真のように、型に顔だけ出して撮ると思っていた人も多く、実際に着付けをする段階でビックリされることが多い」とも。

利用客は2歳の子どもから70代の年配客、女性まで幅広い。「龍馬が好きな人は本当に幅広い」。利用客の中には名前が「りょうま」という子どもも多く、写真に名前を入れてほしいというリクエストもあるという。スタジオでは、持参したカメラでの撮影も自由に許可しており、着付けを済ませたにわか龍馬はプロと同行者のカメラマンたちに囲まれ、さながらスター気分に浸っている。

　「料金は手軽だが着付けや撮影に手を抜かない。帯などもきちっと締めるので、5組も連続で撮影したら手がすれて感覚がまひする」という苦労も明かす田代さん。「このサービスだけでは利益は出ない。しかし、来てくれる人たちに喜んでいただき、少しでも長崎の活性化のお役に立てれば本当にうれしい」。

　営業時間9時～19時。