長崎の美顔サロン「のりえ」(長崎市中園町)が11月30日、竹でできた布「TAKEFU(竹布)」の体験会を開く。
同店は創業46年のサロン。店主の小畑佳子さんは創業者・のりえさんの娘で、この道30年のベテラン。仕事柄、肌が弱い人と接する機会が多いため、そうした人にも使えるものをいろいろ探していたところ、7年前に竹布と出合った。「竹が原料ということで最初はイメージできなかった。まず自分で使ってみたところ、綿のガーゼより柔らかいことに感動。吸水性が高いので夏は汗をグングン吸い取るし、冬は温かくて静電気が起きにくい。ぜひ扱いたいという願いがかなって、3年前から当店で扱うようになった」と話す。
竹布は大村市出身で「ナファ生活研究所」社長の相田雅彦さんが1999年に竹から繊維を作ることを発想。特許庁や国立国会図書館で竹の繊維について資料を探したが、ほとんど皆無に近かった。それから2年の歳月を費やして開発した初期の竹布の柔らかさや温かさに竹布の未来の可能性を直感したという。試作のボディータオルを浴室に放置したところ、カビが生えないことに気づいた相田さんは2001年夏、財団法人日本食品分析センターに抗菌テストを依頼。結果は4万個のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が死滅してしまったという。
2009年に「竹から作る抗菌性を有するセルロース製造方法」、2011年には「殺菌竹繊維ガーゼ」で2つの特許を取得。竹布の医療用ガーゼは傷に癒着しにくいという。竹布が進むべき道を「人が最も痛み苦しむその時に、そっと傷に寄り添い、ただ快癒を祈る一枚のガーゼ」という言葉に託した相田さん。医療用ガーゼについては他の竹布製品とは別扱いで一般社団法人を立ち上げ、その普及に力を注いでいる。
「相田さんの思いの深さに心から感銘を受けた。口コミでたくさんの人に買いに来ていただくが、竹布自体まだまだ一般には知られていない。タオルや布巾以外にも、マスク、枕カバー、シーツ、靴下、Tシャツからインナー、ショーツやブラ、布ナプキンなど製品は少しずつ増えている。抗菌作用のほか臭いも消えるので、ご主人の枕カバーや靴下を買い求める主婦が多い。タグや縫い合わせ部分がないタンクトップなど、肌が弱い人には特に人気」と小畑さん。
体験会は15時から30分間、竹布製品を実際に参加者に触ってもらいながら、小畑さんが作った資料を基に体験談などを話す。店で使っている「ぬれたまま放置しても匂わない布巾」を披露すると、ほとんどの人が驚くという。「普段は予約のお客さまでほとんど埋まっており、一般の人にのぞいてもらうことがなかなかできない。体験会当日は15時30分以降、閉店の19時まで自由に竹布を触ってもらえるように開放する。住吉での買い物帰りにぜひ体験して」と参加を呼び掛ける。
体験会は定員5人。予約はメール(norie-bi@etude.ocn.ne.jp)で受け付ける。参加無料。営業時間は10時30分~19時。月曜定休。