長崎の老舗カフェ「佛蘭西(ふらんす)市場」(長崎市万才町)で2月22日、最後のイベント「ファイナルジャズライブ」が行われ38年の歴史に幕を下ろす。
ライブを行うのは長崎在住のピアニスト・阿野裕行さん、トロンボーン奏者・久保盟さんと福岡で活躍するギタリスト・山野修作さんの3人。福岡市出身の山野さんは15歳からギターを弾き始め、高校ではロックバンドのライブ演奏に熱中したが大学でジャスサークルに入部したことがきっかけとなりジャズの世界に入ったという。2003年にニューヨークに渡って現地のミュージシャンとセッションを重ね、その後も渡米を繰り返して腕を磨いた。現在は地元福岡を中心に伝統的なジャズギターサウンドながら現代的なプレイスタイルを得意とするプレーヤーとして活躍する。
阿野さんと久保さんは同店で2012年からレギュラーでライブを行ってきた。久保さんは事業家として多忙な毎日を送る一方、プロのトロンボーン奏者として長年活躍している。「佛蘭西市場では毎回、たくさんの人にライブを楽しんでもらったが、これが最後の演奏で最後の営業日。モダンながら昭和の佇(たたず)まいを感じさせるノスタルジックなインテリアと、小編成のライブ会場としては最適な音を楽しめる最後の機会。ぜひ聴いてほしい」と来場を呼び掛ける。
阿野さんは1982(昭和57)年、阿野音楽教室(川口町)を設立。専門のジャズピアノを中心にボーカル、ボイストレーニング、ギター、ドラム、ジャズポップスピアニカ、オカリナ、リコーダー、吹奏楽・ブラスバンド演奏指導など、現在は講師9人で下は4歳から上は80代まで約160人を教えている。さまざまな施設でのコンサート活動など、音楽で多くの人を勇気づける活動を積極的に行っている阿野さん。今年10月には設立32周年発表会を予定する。阿野さんは「店がなくなるのは寂しいが、今月12日に聴いたライブで伊藤銀次さんが『誰よりも楽しみたい』と言った言葉がとても心に響いた。最後の夜をぜひ誰よりも楽しみたい」と意気込む。
チャージは2,500円(ワンドリンク付き)。20時開演でステージは2回行う。問い合わせは同店(TEL 095-827-4367)まで。