長崎・浜町で路上鑑定「行列ができる5分占い」として知られる「幸せ師ユーイチ」さんが8月1日、徒歩1分ほどの場所に移転して「幸せ師の部屋」(長崎市浜町、TEL 095-822-2502)を開いた。
ユーイチさんは同アーケード街で58年間続いた婦人服店の後継者。5年前までは後継者として懸命に働き、寝る間も惜しんで販売の勉強に没頭。販売士などの資格を取得し、経営セミナーの講師を務めるほどまでになった。
2009年、商店街の夏祭りの時に必要に迫られ「何をしようか」と悩んだ末に「占い」を思いついたユーイチさん。占い関連の本を1週間で100冊ほど読破し、独学で基礎を身につけた。「500円で5分間占います」という試みは人気を呼び、婦人服店の店頭で週末限定の路上鑑定を続けることにした。
初日の客は15人ほど。2週目はおよそ20人と増え、8月後半には50人を突破した。増え続ける客を制限せざるを得なくなり、10月からは先着50人に限定。その後も間に合わずに肩を落として帰る人の姿が続いた。
ユーイチさんは自らを占い師ではなく「幸せ師」と呼ぶ。「生意気かもしれないが私にとっての占いは『当てて二流、変えて一流』だと思っている。いくら正確に当たっていたとしても、それがその人を幸せにしないのなら全く当てる意味がない。占いは生き方を変えるためのアドバイスとして存在する。本人が決意して本気で生き方を変えさえすれば、誰でも人生は変えられる」と力を込める。
「幸せ師」の後継者育成も行っており、現在までに学んだ人は30人ほど。すでに「幸せ師」として活躍している人もいる。幸せ師の教え子たちにも活躍の場を与えるため、新しい店を「幸せ師の部屋」と名付けた。ユーイチさんは「世界を幸せにしたい」と、カンボジアで飲み水に困っている人たちのために井戸を掘ったり、東日本大震災復興支援のために路上鑑定の売り上げを全額寄付したりするなど、自分自身が考える「幸せ」につながるさまざまな活動も行ってきた。
7月25日、これまで営んできた婦人服店は58年間の歴史に幕を下ろした。日本大学芸術学部映画学科で脚本を学んだユーイチさんは「まだ39歳になったばかりの若輩者だが、映画になりそうなほどドラマチックな体験もしてきた。うぬぼれて失敗したことも、死にそうになったことも、これ以上はないと思うような絶望感も味わった。だからこそ自分の人生の脚本を本気で書き変えたい人を手伝えれば」と話す。
個別鑑定(30分=3,000円)の営業時間は10時~19時(水曜・金曜のみ17時まで)。土曜・日曜定休。「500円鑑定」は金曜・土曜の18時から先着50人限定。休業日などはブログで確認できる。