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長崎くんちを前に「おもてなし英会話」-オール英語で「Welcome to Nagasaki」

「オススメの食べ物」を説明する講師のジョージさん

「オススメの食べ物」を説明する講師のジョージさん

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 英会話スクール「COCO塾」長崎校(長崎市銅座町、TEL 095-811-0025)で9月26日、長崎県とのコラボイベント「おもてなし in Nagasaki」が開かれた。

「金銭餅(きんせんぴん)」とびわ茶

 県が推進する「総おもてなし運動」の一環として開かれる同イベントには女性5人、男性7人が参加した。参加者らは10月7日~9日に開催される秋の大祭「長崎くんち」に訪れる外国人観光客を想定し、どのように英語で案内するか、どのように英語でコミュニケーションを取るかを考えて「おもてなし」の疑似ロールプレーイングを中心に体験した。

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 外国人観光客に扮(ふん)する講師のジョージさんは中国系イギリス人。参加者全員に配られ、5ページにまとめられたレジュメは、今回のテーマに沿ってジョージさんが独自に考案したもの。

 「Welcome to Nagasaki!」と書かれた表紙には軍艦島やちゃんぽん、平和祈念像、ランタンフェスタの風景など長崎をイメージする写真がちりばめられている。レジュメの内容は進行に合わせて前方のモニターにも映し出された。日本人講師と一緒に参加者らの前に現れたジョージさんはユーモアたっぷりに英語であいさつ。進行は全て英語で行われた。

 「では自己紹介から始めましょう」。参加者らに英語で促した後、ジョージさんは「タコのぬいぐるみ」を取り出して「自分の番が終わったら、次の人にタコをパスしてください」。ぬいぐるみのコミカルな姿を見た参加者らは一斉に笑い声を上げた。自己紹介は「たどたどしい人」「流ちょうにアピールする人」など、スキルの差はあるものの、和気あいあいの雰囲気で進んだ。

 「長崎で好きなものは何ですか?」。講師の質問を受け、「I like …」と考え込む参加者。「I like sea(海)」と答えた男性は、その理由を「出身地の埼玉には海がないから」とゆっくりと英語で説明した。「いなほ焼き」「blue sky(青空)」に続き、自信たっぷりに「I like 夜景」と叫んだ男性には一同爆笑。ジョージさんから「a night view」と補足され、少し恥ずかしそうに頭をかいた。ジョージさんは全て英語で説明しながらも、分かりやすい英語を使うことで回答のヒントを何度も参加者に投げ掛けていた。

 次のステップでは隣に座った人同士が互いに「Tourist(観光客)」「Local(地元の人)」に分かれて疑似会話を体験。会話例を書いたレジュメを読み、講師の助けも借りながら全員が対話のロールプレーイングを体験した。

 「Could you tell me about the Nagasaki Kunchi?(長崎くんちについて教えてください)」との質問には、「It's a famous autumn festival that is held in Nagasaki City(長崎市で開かれる最も有名な秋祭り)」と回答する台本を手に全員が格闘。ジョージさんは次に「外国人に詳しくほかの祭りのことを教えてください」と指示。「祇園まつり」「ねぶた祭」など有名な祭りを例として掲げて説明を求めた。参加者らはタコのぬいぐるみを受け取りながら、ウンウンうなる。その後は各テーブルでロールプレーイングを進め、講師2人が巡回して個別に指導した。

 祭りの「定番の食べ物」について尋ねるジョージさん。参加者が答えた食べ物についてさらに説明を求めると、一生懸命たこ焼きの説明をする人や、焼き鳥の説明をしたいために「焼くって英語で何?」と悪戦苦闘したり、周囲に同調を求めたりする人もいた。しばらく答えに詰まった女性は、「candy apple(りんごあめ)」と元気に答えた。内容が進むにつれ、ジョージさんはサンプルの文章だけでなく、さらに細かく会話を進めるヒントを分かりやすい英単語で助け舟を出し続けた。

 「かき氷を説明してください」という問いに、「アイス…。手で回す。オン・ザ・ブレークアイス。オン・シロップ。ブルーハワイ。あずき」と単語の羅列で答える人も。「お好み焼き」の説明には、野菜(vegetables)や豚肉(pork)を乗せてソース(sauce)やマヨネーズ(mayonnaise)をかけたパンケーキ(pancake)と答えていた。さらにジョージさんが「好きなビールの銘柄は何ですか?」と尋ねると、外国の銘柄が続いた後、ある男性が「一番搾り」と答えると、次の男性が「金麦」と答えて会場は笑いに包まれた。

 ロールプレーイング終了後、参加者らは中国菓子「金銭餅(きんせんぴん)」と、びわ茶で一服。ジョージさんが「このお菓子はどんな味がしますか?」と質問し、「甘い?苦い?辛い?」など「対話」のヒントを出しながら全員に呼び掛けて答えを引き出し、イベントを締めくくった。

 参加した女性の一人は「面白かった。接客を仕事にしているので、おもてなし英会話に興味があった。タコのぬいぐるみのアイデアは何かに使いたい。基礎的な言葉を中心に楽しませながら興味を引き出してくれるので、とてもスムーズに話せた。また参加したい」と感想を話す。

 同塾インフォメーションセンター長の飯田里絵さんは「このイベントで重視しているのは対話力。ただ単に英語を話すだけなら、ほかにも方法はある。対話力とは相手の話を聞く力と、それを理解してまとめる力。そして、自分の意見を伝える力という3つの総合力」と説明する。

 飯田さんによると、英語で考えて英語で学ぶことで英語の対話力が身に付くという。「対話力は外から身に着けるというより、うまく内側から引き出して育てることが大事。私たちは日本語で考えて日本語で学ぶから日本語の対話力が備わっている。それを英語に置き換えるようなもの。英語そのものを、うまく話そうとしないことが上達のコツ」とも。

 次回開催は10月24日。

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