長崎・淵神社の幼稚園で全園児9人の運動会-表彰式で「家族になろうよ」

「お父さんと綱引き」の様子

「お父さんと綱引き」の様子

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 長崎・淵神社境内にある「宝珠幼稚園」(長崎市淵町)で9月27日、全園児9人の運動会が開催された。

マスゲームで披露された「稲佐山」

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 同園は1972(昭和47)年に開演。稲佐山のふもとに位置し、ロープウェイ「淵神社駅」が境内に置かれている。長崎市出身の歌手・福山雅治さんが在籍したことでも知られる。以前は大勢の園児でにぎわったが少子化の影響で年々減少し、昨年の運動会は全園児8人、今年は9人で開催した。

 9時30分、晴天に恵まれた園庭に福山さんの「Message」が流れる中、園児たちが入場。開式の言葉の後、参加者全員で国歌斉唱や国旗掲揚、本殿に向かって神社参拝を行った。園長あいさつに続いて園児代表による選手宣誓の後、ケロポンズの「エビカニクス」に合わせて園児たちは準備運動を行った。

 全園児による「かけっこ」「マスゲーム」「玉入れ」と進行。玉入れが終わった後も園児たちはなぜかその場に残された。突然、テレビドラマ「暴れん坊将軍」のテーマ曲が流れると、園児らの祖父母を中心に「助太刀(すけだち)」が次々に入場。白組、赤組両方に分かれて園児たちの脇を固め、玉入れは再試合に。

 号砲を合図に始まった再試合。舟木一夫さんの「銭形平次」の歌声をバックに、銭に代わって「玉が飛ぶ」。1回戦は赤組の祖母らが張り切り、かごが赤玉で山盛りにあふれた結果、数えるまでもなく圧勝。「玉は両手に1個ずつ、2個だけ」と審判が異例の注意喚起をする中で臨んだ2回戦。勝利の女神は白組にほほ笑んだ。両者とも最後の「お片づけ競争」でも善戦。園児らは自分の祖父母や家族の助太刀と手を握り、「人生楽ありゃ苦もあるさ」と水戸黄門のテーマ曲に乗って1組ずつ楽しそうに退場していった。

 未就学児のかけっこ、卒園した小学生の綱引きに続き、「お父さんと綱引き」。九州男さんの「マエストロ」が流れる中、園児らは父親と一緒に渾身の力を込めて綱を引き合った結果、赤組が勝利を収めた。続く「園児リレー」では昨年の連続ドラマ「あまちゃん」が流れる園庭を疾走する園児たちに保護者らが精一杯の声援を送っていた。

 プログラム11番のダンス「生きてる生きてく」では、母親と園児が同名の曲に合わせて「生き生き」と身を躍らせた。曲が終わると「お母さまは、お子さまを思い切り抱きしめて」とアナウンス。それぞれの母子は思い思いに「ムギュ」と抱き合った。

 最後の「家族リレー」は、園児とその家族が単位となり紅白に分かれて「さしで勝負する」リレー。園児同士の「ガチンコ勝負」あり、母親同士の勝負あり、男性と女性の競走では男性が遠慮がちに走る姿が見られた。男女の勝負となったアンカーは優勢だった男性が余裕でスピード調整。女性の少し前を走っていたが全力疾走を続けた女性にゴール寸前で抜き去られ、運動会は12プログラムの全競技を終了した。

 閉会式では下條一仁園長が「子どもたちはよく頑張った」とあいさつ。園児代表がお礼のあいさつを述べた後、全園児で同幼稚園の園歌を元気よく合唱した。続く「記念メダル授与」では園児が表彰台の最上段に一人ずつ登壇。会場には福山さんの「家族になろうよ」が静かに流れ始める。下條園長が一人ずつ名前を呼び、「よく頑張りました。おめでとう」と声を掛け、一人ずつ「金メダル」を首に掛けた。園児は「ありがとうございました」と下條園長に深々と頭を下げた。最後の女児への授与では下條園長が感極まり、声を詰まらせる一幕も。

 園児たちが再び整列すると、「園児のお母さまは、保護者席の前方で待機を」とアナウンスが流れた。今度は園児に向かって、「今から一人ずつ名前を呼ぶ。呼ばれた人は大きく『はい』と返事をして、お母さんのところへ」。名前を呼ばれて「はい」と大きな返事をした園児らは、両手を広げて待つ母親の元へ一人ずつ走り出した。わが子を抱きとめた母親や父親らは、うれしそうに顔をほころばせていた。

 2009(平成21)年から毎年運動会を見学しているという吉村結子さんは、福山さんの大ファン。「その年の稲佐山ライブで初めて福山さんのファンになった。グッドラックという曲を聞いて号泣してしまったこともある。園児の孫がいるわけではないが、後輩に当たる子どもたちの成長を楽しみに毎年通わせてもらっている」とほほ笑む。

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