自家焙煎(ばいせん)コーヒー店「TOSAKA COFFEE」(長崎市坂本1)の入居ビル3フロアを会場に1月25日、地域発展を目的とした異業種集合型イベント「山王ハコフェス」が開かれる。
同店を営む桑原恵吾さんが企画する同イベント。イベント名は長崎大学歯学部に上る入り口の三角地に建つ会場を「弁当箱」に、出店者を食材に見立てて命名した。
きっかけは同店をオープンして半年経ったある日、桑原さんが何気なく気づいたことから。「考えてみれば、このエリアは片足鳥居や被爆大クスがある山王神社がすぐ近くにあるなど、たくさんの歴史的なストーリーに囲まれている。一方で、若いがこだわりを持っている店の経営者や、アーティスト、パフォーマーたちとのつながりもある。古い歴史と若い彼らをうまく掛け合わせれば、地域を盛り上げる面白いイベントができるのではないかと思った」と桑原さん。
知人や友人に広く声を掛けた所、人が人を呼び賛同者が次々と集まった。イベント会場は同店が入居する山木ビルの1階から3階を使う。当日は、雑貨、飲食店、書店など25店が出店するほか、「三回転とひとひねり」「Herb Sound Orchestra」「Ken Dutchess」「マクウ」「Soy Sauce Men」などが「投げ銭方式」で音楽ライブを繰り広げる。出店ブースは前髪カット、書道、本のセレクト、インテリア雑貨、キャンドル作りや、アクセサリー、革製品、多肉植物などが並ぶ。フードは煮込み、スープ、から揚げ、ピザ、サンドイッチなどが楽しめるほか、ビール、ワイン、カクテルからソフトドリンク、コーヒー、チャイなどのドリンクを用意する。
「山王神社の被爆大クスは、昨年末の紅白歌合戦で福山雅治さんが歌って話題になった。目の前の浜口町は焼き鳥店や居酒屋などが密集する飲食店街。すぐ横には長崎大学病院を中心に医学部、歯学部なども集まっている。今後、山王エリアの商店や空きテナント、企業などにも幅広く協力してもらえれば、地域全体を見て歩いて回れる『ディープな祭り』にできるのでは」と桑原さんは期待を込める。「街としての底力を感じる。ぜひ、この魅力を多くの人に伝えたい」とも。
開催時間は10時~17時(フード出店、バンド演奏は11時~)。入場無料。