長崎のコワーキングスペース「ツナグバサンカク」(長崎市上町)で3月22日、文房具ファンの集い「文房具ch2798(チャンネルツナグバ)」が開催される。
毎月1回、テーマを決めて文房具ファンが集まり交流する同イベントは今回で13回目。
主催者の金子マモルさんは大学や専門学校、企業、職業訓練所などでビジネススキルを専門に教える講師として活躍。「難関の資格試験に挑戦していたころ、ボールペン1本を1週間で使い切っていた」と話す。
「当時、ボールペンの握り方から考え直し、どうすれば早く、濃く、正確に書けるかを追求し最も相性がいいボールペンを模索した」とも。数年後、文房具メーカーが参加するイベントで、無意識のうちにボールペンに対する自身のこだわりを各メーカーの担当者に話して回る金子さんの姿を見た友人から「君の文房具愛は面白い」と言われ、初めて自分が文房具好きだということを自覚したという。
その後、さまざまな文房具イベントに参加したり、文房具の知識を深めたりしながら同好の人たちと交流を続けるうちに、「これまでの情報は文房具メーカーや店からのものばかり。ユーザー視点で文房具ファンが直接情報交換し、全くの素人でも楽しめる定期イベントが必要」と思い立ち、自らイベントを立ち上げた。文房具に関するブログの執筆や、自作の手帳・ノートの開発を手掛ける金子さんは現在、仲間から文房具王子ならぬ「文房具玉子(たまこ)」という愛称で親しまれている。
今回のテーマは「メモやノートを選び上手に管理」。金子さんは「メモとノートはどう違うのかということから、デジタルなのかアナログなのか、ノートは使い切る方がいいのか、保管する方がいいのかなど、すぐに答えられる人はそう多くないはず。たかがメモやノートだと思ったら大間違い。とても奥が深い」と指摘する。
「紙質にはどれだけこだわりたいのか、横罫線や方眼、ドット、無地をどう使い分けるかなど、今まで文房具愛の自覚がない人でも、参加することで何か琴線に触れて目覚めるかもしれない」とも。
同イベントには毎回、さまざまな「文房具愛」の持ち主が参加。過去には小学生や中学生が参加したこともあるほか、中には自ら開発した文房具に対する意見を聞き出すために参加する人もいるという。
今年2月に開催した「すごい100均文房具大賞」では、参加者の清田さんが提案する「タスク管理法」を全員でシェアしたところ、その内容の奥深さに感銘を受けた参加者から「すぐ真似したい」という意見が集まり、多くの人が実行したという。第1回から参加している喜多あずささんは「自覚がないだけで文房具ファンはたくさんいるはず。このイベントがもっともっと大きくなれば」と期待を込める。
金子さんは「文房具イベントは東京、大阪、名古屋などの大都市では数も多くかなり盛り上がっている。しかし、地方都市で盛り上がっているという話を聞いたことがない。日本の文房具は世界でもトップクラス。しかも大人も子どもも垣根なく、熱い思いを語り合えるので最高のコミュニケーションツールだと思う。文房具チャンネルの合言葉は『敷居を低く、得るものは多く』。こじつけでも、見学だけでも構わないので、ぜひ参加してほしい」と呼び掛ける。
開催時間は13時~15時。参加費は1,500円(フリードリンク付き)。テーマに沿った文房具要持参。