長崎のパソコン販売店が「パソコン寄贈プログラム」 職業訓練中の求職者などが対象

「対象者はぜひ連絡を」と呼び掛ける大楠社長

「対象者はぜひ連絡を」と呼び掛ける大楠社長

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 今年7月にオープンした地域密着型中古パソコン店「アットマーク」(長崎市清水町、TEL 095-860-0055)が現在、職業訓練中の求職者などに対する「パソコン寄贈プログラム」を行っている。

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 大楠和誠社長は2001年に長崎総合科学大学工学部管理工学科(現・経営システム工学科)卒業後、家電業界に就職。10年ほど前に独立し、ITコンサルタント業務を手掛けながら、客の求めに応じてパソコンの設定や修理の出張専門サービスを提供してきた。しかし、「店舗がない」という理由で数多くの「悔しい思い」をしたことから今年7月、独立10年目にして念願の店舗を持ったという。

 パソコン寄贈プログラムは生活保護受給者など大楠さんが想定する対象者に対し、再生パソコンを無償提供する。「買い取ったり、引き取ったりした中古パソコンの中には、機能的には十分使えるのに目立つキズがあったり、一部の機能だけが使えなかったりする、などの理由で販売できないものが数台ある。処分するにはあまりにもったいないので、何か社会に役立つ方法はないかと考えた」と大楠さん。

 対象者は「生活保護を受けている人」「求職中で職業訓練中の人」「心身に障がいがある人」「一人親家庭の高校生の子ども」「非営利活動団体」の5つの条件のどれかに当てはまる人。パソコンが必要な人で経済的理由によって入手が困難な人を対象に、大楠さんが考えた「独自基準」に基づいて審査する。

 希望者は自身の応募資格を証明するため「生活保護受給証明書」「職業訓練の受講者証明書」「身体障がい者手帳(等級不問)」「住民票の謄本+住民税非課税証明書」「履歴事項全部事項証明書など非営利活動の内容が分かる書類」などの証明書原本の提示または提出が必要で、有効期限内または発行から1カ月以内のものでなければならない。

 再生パソコンの提供は「希望者本人が直接、同店に電話連絡する」「証明書を持参して本人が来店する」「大楠さんが本人であることを確認した上で面談、ヒアリング審査する」「佐川急便の受取人確認サービスを利用して、証明書に記載された住所または所在地で配達員が本人であることを確認した上で引き渡す」の手続きを経て実施される。

 大楠さんは「銀行など一部の企業向けのサービスを利用させてもらうため、佐川急便さんと長期間話し合ってやっと実現した。かなりハードルが高くて面倒だとは思うが、せっかく社会貢献しようと思っているのに一部の人たちに悪用されることだけは絶対に避けたいので理解してほしい。本当に困っている人は連絡してほしいし、困っている対象者を知っている人はぜひ教えてあげてほしい」と呼び掛ける。

 営業時間は13時~18時(土曜は22時まで)。水曜定休。

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