長崎県美術館(長崎市出島町)と釜山市立美術館(韓国)が8月21日、長崎県美術館エントランスホールで交流に関する協定書の調印式を行った。
両館は2008年度から交流を始め、2009年度からは合同で子ども美術交流展を行うなどの美術交流を行ってきた。協定書の調印により、今後も継続的な交流と美術館事業全般の協力を行っていくことに合意した。
調印式では、米田耕司長崎県美術館館長、曺日相(チョ・イルサン)釜山市立美術館館長が署名後、中村法道長崎県知事、許南植(ホ・ナムシク)釜山広域市長が立会人として署名して協定を締結し、握手を交わした。
対馬市と釜山市は、朝鮮通信使行列や国境マラソン、チング音楽祭などかねてより民間レベルで交流活動が行われており、平成12年からは日韓交流写真美術展が毎年交互に開催されている。これらが、今回の交流協定のきっかけとなったという。調印式には、財部能成対馬市長も出席した。
中村法道長崎県知事は「両美術館がこれから新しい文化を作り出す拠点となるとともに、今回の締結が長崎県と韓国の交流の大きな足がかりになると期待している」とあいさつ。許南植釜山広域市長は「調印式の前に訪れた稲佐山展望台からの風景を見て、まるで釜山にいるような錯覚を覚えた。共通点の多い長崎といろんな意味で交流が深められるはず」と話し、同館で行われている日韓合同こども美術交流展について「これこそ実質的な交流になる。文化だけでなくいろんな分野の交流が広がるよう知事と相談しながら進めていきたい」とあいさつした。
同館では8月20日より、今年で3回目になる「明日を拓く 日韓合同こども美術交流展」を開催。日韓の子どもたちが「日常生活」をテーマに描いた作品96点や、企画展「菊畑茂久馬回顧展」のワークショップで「海」をテーマに制作した作品などを展示している。9月2日からは釜山市立美術館で同展が開催される。
開催時間は10時~17時。入場無料。今月28日まで。