JTB西日本(大阪市中央区)が10月、同社が展開する「地恵のたび」プロジェクトの第10弾として「地恵のたび 長崎」を発売した。
「地恵のたび 長崎」は、長崎の自然や歴史、文化、特産物などの恵みを生かし、知恵と工夫で「まちおこし」に取り組む地域固有の魅力を旅行商品化したもの。これまでに堺、東大阪、天神橋(以上、大阪府)、ならまち、五條(以上、奈良県)、尼崎、家島(以上、兵庫県)、いろどり(徳島県)、真庭(岡山県)の9カ所を商品化しており、九州では初めて。「地恵のたび」はこれからの旅行のあり方のモデルケースとして「ツアーオブザイヤー2011」国内旅行部門のパッケージ旅行部門グランプリや観光庁長官賞を受賞している。
長崎市は古くから修学旅行や団体旅行で全国から多くの観光客を集めてきたが、少子高齢化や旅行スタイルが「箱もの団体旅行」から「個人型・体験型旅行」へ変化する中で年々観光客が減少していた。2006年に日本初のまち歩き博覧会「長崎さるく博」を開催し、1000万人を超える集客に成功した後、通年で行う「長崎さるく」は市民が主体となり持続的発展を遂げて、現在は長崎観光の柱の一つに成長している。そこで同社では「長崎さるく」の仕組みを理解したうえで、さるくコースを体験することで「長崎さるく成功の秘訣(ひけつ)」を体感できるオリジナルメニューを開発したという。
コースの一例は、長崎さるく博の立ち上げから携わり、自身もさるくガイドとして活躍する長崎市さるく観光課長、股張一男さんの講演「長崎さるく成功の秘訣」を聞いた後、徒歩で興福寺、青空市場、アルコア中通り(長崎で最も古くからある長崎初の商店街)を散策し、ザボン漬けなどが有名な「くろせ弘風堂」で試食体験。その後、中島川の眼鏡橋近くに数十個あるハートストーンを探し、1902(明治35)年に建てられた和菓子の老舗「岩永梅寿軒」で再び試食体験。裏めがね橋と呼ばれる眼鏡の形をした橋を見物し、路面電車がレストランの外観になっている「きっちんせいじ」を訪れ、長崎まちなか龍馬館を見学後、幕末創業の和食店「吉宗(よっそう)」または創業80年の中華料理店「会楽園」で昼食をとる。コースには、さるくガイドが解説しながら同行。その他に坂本龍馬ゆかりの地を巡るコースがある。