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長崎で「遊んでいかんね」プロジェクト-被災地の子どもに冬休みをプレゼント

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 長崎のNGO団体が、被災地で暮らす子どもたちに長崎で思いきり遊んでもらおうと冬休みに招待する「遊んでいかんねプロジェクト」の準備を進めている。

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 同プロジェクトは、東日本大震災から半年が経過し、復興が進まない被災地で生活への不安や不自由な環境で暮らす人たちのストレスの問題を解決しようと始まったもの。ストレスの矛先が子どもに向かっていることが懸念される中、長期の休みの一時期に子どもたちを長崎で受け入れ、親の負担の軽減と子どもたちに自分の時間を楽しむ自由と周りの人に甘える機会を与えようと、NGO団体LINCが中心となり実行委員会を組織して進めている。

 LINCは長崎の若手社会人、学生などが集まり国際協力、地域活性化をテーマに活動するNGO団体。同プロジェクトは9月、10月に失業給付が切れ、子どもを持つ親のストレスが増大する恐れがあり、冬休みの時期はそれまで家族と過ごしていた家庭の子どもは寂しい思いをすると思われるため、双方の心のケアをするのが目的。受け入れ側にとっても、ただ義援金を払うのではなく、被災地の子どもと接することで具体的に支援しているという実感が得られる

 受け入れ時期は12月23日~27日と1月5日~9日の各4泊5日を予定。対象となる子どもは、宮城県気仙沼市の小学5~6年生、30人程度。人員の選定は地元の教育委員会を通じて行うという。受け入れ側は長崎県内でホストファミリーを募集し、1家族当たり1~4人の受け入れを想定する。ホストファミリーと過ごす時間のほか、全員参加の観光イベントや長崎県民との交流イベントが予定されている。受け入れに関する費用(交通費、食費など)は原則、受け入れ側で負担する。

 スケジュール案では、12月23日到着後、長崎市立日吉青年の家で懇親会と宿泊、24日に長崎市内観光と市民クリスマスページェントに参加。25日は自由時間を満喫した後、ディナーは「ちゃんぽん作り体験」、26日には佐世保市のハウステンボス観光を楽しんだ後、27日に気仙沼に帰る。初日以外はホストファミリー宅に宿泊。

 プロジェクト実行委員長の田邊さんは「変わり果ててしまった故郷で日常を過ごす人たちは相当なストレスにさらされている。非常に限られた人数だが、ほんの一時期でも子どもたちに環境の変化を作ることは、肉体面でも精神面でも親子双方に大きなメリットになると思う。長崎ではどうしても震災を実感しにくいが、被災した子どもを受け入れることで震災を身近に感じることができるのでは。義援金だけでなく触れ合う形での支援は、息が長い支援として必要になる。かつての普賢岳災害支援のお返しをする意味もある。ぜひ、皆さんの応援をお願いしたい」と呼び掛ける。

 実行委員会では費用(目標額200万円)を募金、助成金、企業(団体)スポンサーなどで賄う予定。

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