ホテルニュー長崎(長崎市大黒町)で8月23日、映画「ペコロスの母に会いに行く」の製作発表会が市民参加型のパーティー形式で行われる。主催は映画製作会社「素浪人」
長崎在住の漫画家・岡野雄一さん(62)が認知症の母みつえさん(89)の介護を通じて、戦前から戦中、戦後を生き抜いた母親の生涯を息子の視線から心温まるユーモラスなタッチで描いた同名の漫画を実写映画化する同作品。岡野さんが今年1月に漫画を500部だけ自費出版したところ、フェイスブックなどを通じて短期間のうちに人気が広がり、「素浪人」の井之原尊社長の目に止まったことが今回の映画化につながった。
原作者の岡野さんは1950(昭和25)年、長崎市生まれ。広告代理店の営業やフリーペーパー、雑誌の取材編集を経て、10年間タウン誌の編集長を務めた。母親の認知症の発症、施設入所と同時期に50代後半でフリーに。母親の介護という現実を、悲壮感なくコツコツと描きためてきた漫画が多くの人を動かした。
監督は「時代屋の女房」「塀の中の懲りない面々」などの森崎東監督(島原市出身)、主役の岡野雄一役を岩松了さん(川棚町出身)、母みつえ役を倍賞美津子さん、若き日のみつえ役を原田貴和子さん(長崎市出身)が演じる。ほかに加瀬亮さん、竹中直人さん、温水洋一さん、大門正明さん、宇崎竜童さんらが出演。撮影や照明はアカデミー賞外国語映画賞を受賞した「おくりびと」のスタッフが担当する。
「長崎総決起大会&製作発表パーティー」と名付けられた発表会は会費制で行われ、一般市民の参加も受け付ける。当日は原作者の岡野さん、森崎監督のほか、名誉応援団長の田上市長、出演者の岩松了さん、原田貴和子さん、加瀬亮さん、竹中直人さんらも参加して、長崎ならではの南蛮情緒あふれる大宴会にするという。
井之原社長は「認知症介護喜劇映画である本作品は、喜劇映画の巨匠で現役最高齢85歳の森崎監督に託した。映画化は市民の力がつながって実現したものであり市民参加型の情熱映画製作を目指している。1人でも多く参加してもらい、皆さんの力でこの映画を支えてもらいたい」と呼び掛ける。
開会は19時。参加費8,000円(食事付き)。ホテルニュー長崎(TEL 095-826-8000)に直接予約するか、またはフェイスブックページから参加予約できる。