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長崎の漫画家原作の映画制作費をSNSで-地元中心に広がる支援

自費出版本と再編集本の「ペコロスの母に会いに行く」

自費出版本と再編集本の「ペコロスの母に会いに行く」

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 長崎在住の漫画家・岡野雄一さん原作「ペコロスの母に会いに行く」の映画化が決まり、フェイスブックを中心に制作費の一部を個人協賛で賄うプロジェクトが広がりを見せている。

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 個人協賛を募っているのは、同映画のプロデューサーで製作会社「素浪人」(東京都杉並区)社長の井之原尊さん。昨年末から年始にかけて始めたフェイスブックで福岡在住のコンテンツプロデューサー村岡克彦さんと知り合い、1月中旬に自費出版された同本を紹介された。認知症の母と還暦過ぎの息子の介護日誌漫画である同本に可能性を感じたという井之原さん。すぐに岡野さんへ映画化の権利交渉を行い映画化が決定した。

 岡野さんと母みつえさんの心温まる認知症介護の日常のやりとりをユーモラスに描いた同作品は、フェイスブックを発端にして全国に広がりを見せている。村岡さんが5月にフェイスブックページ「映画『ペコロスの母に会いに行く』を応援しよう」を立ち上げ、6月には西日本新聞社から自費出版本「ペコロスの母に会いに行く」と「ペコロスの玉手箱」から再編集した「ペコロスの母に会いに行く」を発行。7月15日にアマゾンの漫画・アニメ・BLのベストセラー20位内、楽天ブックノンフィクション部門の5位に入った。

 同作品の監督は長崎県出身の森崎東さん、岡野雄一役を岩松了さん、母みつえ役を倍賞美津子さん、他に原田貴和子さん、竹中直人さん、温水洋一さん、渋谷天外さん、春風ひとみさんらがキャストに決定している。9月から介護シーンを中心に長崎市ロケを始める予定。

 「フェイスブックを発端にして個人の広がりから評判を集めた話題作であるだけに、映画の製作費の一部も個人の応援金・情熱資金で賄い感動を共有したい。一般の資金が集まるほどマーケットを示すことができ、今後の製作費集めの説得力にもなる。皆さんの熱い志でこの映画を支えてほしい。ぜひご協力を」と井之原さんは呼び掛ける。

 個人協賛の目標金額は総製作予算2億2000万円の4%にあたる約888万円。SNSにより協賛金を集めるクラウドファンディングプラットフォームを活用した「motion gallery(モーションギャラリー)」や郵便・銀行振り込みで個人協賛金を募る。7月15日現在、モーションギャラリーでは約81万円が集まっている。

 個人協賛金単位は3,000円~99万9,999円まで13段階。金額に合わせて、協賛金会員限定の最新情報や特典が異なる。詳しくは公式サイトで確認できる。

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