長崎・眼鏡橋周辺で映画「ペコロスの母」最終ロケ-赤木春恵さんら熱演

演技中の赤木春恵さん(手前左の黒い帽子は撮影監督の浜田毅さん)

演技中の赤木春恵さん(手前左の黒い帽子は撮影監督の浜田毅さん)

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 長崎の眼鏡橋周辺で2月6日、映画「ペコロスの母に会いに行く」のロケが行われ、主役の岩松了さんや赤木春恵さん、大和田健介さんらが熱演した。

スタッフから注意事項を聞くエキストラ

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 この映画は長崎市内在住の漫画家・岡野雄一さんの同名の漫画を映画化したもの。岡野さんが昨年初めに500部だけ自費出版した本が口コミを通じて人気を集め、フェイスブックがきっかけで小さなプロダクションから映画化されることが決まり、その後、西日本新聞社から商業出版化されて、12万部を突破するベストセラーになったという異色の作品。

 長崎市内は2月10日から冬の風物詩「長崎ランタンフェスティバル」が行われるが、今年は映画撮影に協力するため、例年より一足早く会場設営やランタンの飾り付けなどを終え、眼鏡橋周辺は黄色のランタン飾りで一面彩られた。映画の機材などがスタッフらの手によって次々に設置され、応募して集まったエキストラの人たちが見守る中、森崎東監督が到着。メーンモニター前のディレクターチェアーに腰を下ろした。18時ごろ、主役の母親「みつえ」を演じる赤木春恵さんが到着。ランタンの明かりをバックにエキストラが行き交う中、眼鏡橋周辺の道をさまよう認知症の母親を熱演した。

 眼鏡橋でのシーンは映画のクライマックス場面。川沿いの道路には警告灯を手にしたスタッフが待機し、本番中に自動車や一般の通行人がカメラに入らないよう交通整理を担当。スタッフが「本番行きます」と大声で注意を促すと現場一帯に軽い緊張感が走り、「カット!オーケー!」の声がする度にあちらこちらに笑顔が見えた。撮影中、森崎監督が自ら眼鏡橋の上にいる演技者の現場まで出向き、俳優らに直接演技指導する場面も数回見られた。現場周辺には多くの見物人が集まり、普段テレビでしか見られない俳優らの演技を遠くから食い入るように見守っていた。この日の撮影は23時近くに終了した。

 息子を抱いてエキストラ参加した長崎市内在住の橋本剛さんは「とても面白い体験ができたが、長時間だったので息子が肩の上で寝てしまった」とほほ笑む。プロデューサーの井之原尊さんは「多くの人に支えられてここまで来られたことに心から感謝したい。素晴らしいスタッフが必ずいい作品にするので、期待してほしい」と意気込む。7日は新地中華街などで、8日は中央公園などで撮影を行う予定。

 映画の公開は今秋を予定する。

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