児童養護施設「明星園」(長崎市磯道町)に12月23日、経営者の有志グループ「長崎経済交流会」のメンバーらがクリスマスプレゼントを届けた。
たこ焼きを喜ぶ子どもを記念撮影するメンバーで会社社長の宮﨑伸二さん
「長崎をもっと良くしたい」という理念の下、長崎市内の企業経営者ら約50人が中心となって3年前に結成された同会。第1弾のイベントとして「ながさき食の遊園地」を開催した。現在のメンバーは63人。結成以来、委員会ごとに分担してさまざまな施設にクリスマスプレゼントを届けており、今回が3回目。
同園を訪れたのは「イベント委員会」のメンバー。これまでもケーキやサッカーボールなどを届けてきた。同園には現在、さまざまな家庭の事情で保護者と一緒に暮らすことができない1歳半から高校3年生までの子どもたち約40人が生活している。
メンバーの一人で「たこ焼きみこちゃん」を経営する川原貞治さんは、他のメンバーがケーキを持参する10時より1時間以上前から移動販売車を施設内に止めて「たこ焼き」を準備。子どもたちが「たこ焼きの匂い」に釣られて集まってくると、「はい。順番、順番」と一人6個ずつ舟の形をした容器に入れて配布。子どもたちは階段や園庭のベンチなどに腰掛け、「おいしい、おいしい」と、うれしそうに味わった。中には激辛たこ焼きを作ってもらい、「こんなに辛いのは初めて」と汗を拭きながら食べる子も。年長の子どもたちが小さな子どもたちと一緒に仲良くたこ焼きを分け合って食べる姿も見られた。
10時を過ぎたころ、ケーキが到着。「たこ焼きば食べ過ぎたら、ケーキが入らんごとなるぞ」と、笑いながら同会のメンバーらが子どもたちに声を掛けていた。その後、同委員会の諸岡委員長が「サンタ」に、メンバーの梶原さんが「トナカイ」に扮(ふん)して登場。施設職員や子どもたちが見守る中、園庭で贈呈式を行い、子ども代表に人数分のケーキを手渡した。「着ぐるみを着る時にちょっと違和感があった」という梶原さんは、前後逆に着たことに後で気づいたが着替える時間がなかったためそのまま続行。トナカイの珍妙な姿に園庭は笑いの渦となり、なごやかな雰囲気の中で贈呈式が終わった。
諸岡委員長は「毎年、子どもたちの喜ぶ顔を見るのが楽しみ。今回初めてたこ焼きをプレゼントしたが好評だったので、来年以降も子どもたちに喜んでもらえるように工夫したい」と話した。