長崎県美術館で「ふんどしミーティング」-鳥刺し踊りに会場爆笑

会場で「ふんどしデビュー」した龍之輔くん(1歳3カ月)

会場で「ふんどしデビュー」した龍之輔くん(1歳3カ月)

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 長崎県美術館(長崎市出島町)で6月15日、日本の伝統下着「ふんどし」の魅力を伝える全国初の集会「フンドシミーティング in 長崎」が開かれた。主催はふんどしセレクトショップ「TeRAYA(テラヤ)」(大浦町)。

鳥刺し踊りの様子

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 用意された約140席はほぼ満席。同店が数日前に全国放送のニュースやワイドショーでも取り上げられたため、福岡のテレビ局も取材に訪れるなど多数のメディアも集まった。冒頭、店主・かのこゆりさんが「日本で初めてのふんどしのミーティング。最後まで楽しんでほしい」と主催者あいさつ。続いて一般社団法人「日本ふんどし協会」中川ケイジ会長が講演。中川さんは大学卒業後、いったんは美容師の道に進むが、東京在住の兄の会社に取締役として入社することになる。しかし営業成績は上がらず、ほかの社員からもお荷物扱いされて悩んでいるときに「ふんどし」に出合う。その後、「うつ病」を発症。休職して数カ月の休養中に「ふんどしで起業する」ことを決意する。

 中川さんは「震災を機にうつ病に」「運命的な出会い」「芽生えた使命感」「大きな決断」「世界を変える」と、自身の体験を基に5つのステップで幸せに生きる方法を具体的に解説した。「自分の気持ちに正直に生きることが、無理せずに幸せに生きることにつながる。ぜひ最初の一歩を踏み出してほしい」と呼び掛けると、多くの人がうなずいていた。

 続く第2部は雲仙市国見町神代(こうじろ)穂高地区に江戸時代から伝わる伝統芸能「鳥刺し踊り」の実演。鳥刺し保存会の人たちが全裸に9尺(約2メートル73センチ)の赤ふんどしを締めて登場すると、会場から拍手と笑い声が一斉に起こり、テレビカメラ数台が舞台前に殺到した。コミカルな歌と思い切り尻をたたく音が会場に響き、場内は終始笑い声に包まれた。3分ほどの演技が終わると会場のあちらこちらから「もってこい」の声が。長崎では「もってこい」の掛け声はアンコールを意味する。再び登場した保存会の中川政信さんが「お尻が痛いので短くやります」とあいさつ。メンバーらはアンコールに応じた。政信さんは22歳の時、自身の結婚式で叔父が披露した「鳥刺し踊り」に圧倒され、翌年に叔父から無理やり保存会に入会させられたと紹介。「今、後継者問題が最大の課題。入ったら一生逃げ出せないが、ぜひよろしく」と呼び掛けると、再び会場に笑い声が響いた。

 第3部は中川さんと、かのこさんのトークセッション。元教員のかのこさんは、教員を辞めてさまざまな職業に転じ、自分の進むべき道を探していた。「まさか、ふんどしで人生が変わるとは夢にも思わなかった」と笑う。「ふんどしが体にいいと分かっていても、身に着けたら女が終わると思った」と当時の心情を吐露すると、女性参加者の多くが大きくうなずいていた。中川さんが「イメージと実際の快適さに大きなギャップがあるから試す価値がある」と話すと、「人間の命を包む愛の根源」とかのこさん。司会の谷口亜純さんが「背中を押してくれた存在は?」と質問すると、中川さんは「最初は反対されると思っていたが、意外にも『あなたならできる』と言ってくれた妻。一番大きい存在」と披露。かのこさんは「家族は反対しなかった。笑われると思った友人から『ふんどしデザイナーを紹介する』と言われたとき、やるしかないと思った」と答えた。

 最後に来場者の質疑応答に入ると、遠慮がちに数人が質問。最後に質問に立った山口晃さん(埼玉県秩父市在住)の「海外へ売りたいとのことだが、具体的方法は?」との問いに、中川さんは「具体的プランはないが、パリ、ニューヨーク、ロンドンなどインパクトが強い都市から一気にブームを起こす」と答えた。「実は、それらの都市に住む友人、知人に『ふんどし』を試してもらっている。できる限りのことはやっているから絶対そうなると固く信じている」とも。会場に一番乗りした山口さんを覚えていた中川さんは「わざわざ埼玉から来てもらったので」と、特製のふんどしをプレゼント。山口さんは「たまたま長崎に用事があった。インターネットでイベントを知り、特にふんどしに興味があったわけではないが参加した。せっかくもらったので、ぜひ試したい」と話す。

 終了後は中川さんの新刊「夜だけ『ふんどし』温活法」の出版記念サイン会が行われ、書籍を購入した人の長い列が続いた。

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