メルカつきまち(長崎市築町)5階ホールで8月27日、長崎市の地域活性化活動に従事する「長崎市地域おこし協力隊」の隊員が活動報告会を開く。
報告会は今回で2回目。地域おこし協力隊とは、総務省が全国の自治体に向けて推進している制度。東京都や神奈川県など主に首都圏に住む人の中から地域おこしに関心を持つ人に、おおむね1年以上3年以下の期間、担当地区に居住してもらいながら「よそ者の視点」やそれぞれの能力を活用して地区住民と一緒に地域の活性化を促す。
長崎市には「高島」「野母崎」「琴海」「池島」「伊王島」の5地区にそれぞれ隊員がおり、活動内容には「島ライブ」「空き家再生」「撮影所としてのロケ誘致」「地域活動団体の支援」「コミュニティカフェの立ち上げ」「モニターツアーの実施」などがある。
発表者は島川浩二さん(高島地区)、菅原洋樹さん(野母崎地区)、平井杏奈さん(琴海地区)、小島健一さん(池島地区)、田中秀樹さん(伊王島地区)の5人。
小島さんは埼玉県春日部市出身。2004年に見学団体「社会科見学に行こう」を主宰し、「日比谷共同溝」「東京メトロ・副都心線」「明石海峡大橋」「核融合科学研究所」「横浜火力発電所」「ANA機体メンテナンスセンター」など、通常では一般人が入れない施設や史跡などの見学会を成人向けに実施してきた。2011年10月から協力隊員として池島に移住。「炭鉱体験コース」の企画に参画したり、映画のロケを誘致したりするなど、さまざまな成果を残して間もなく3年間の任務を終える。
8月21日、思いがけず地区の人から感謝状を手渡された小島さんは、「不覚にも涙が出て何も話せなくなった」と話す。「いろいろな思いがあまりにも凝縮された3年間だった。地域おこし協力隊という制度自体がまだまだ発展途上にあると思う。自治体の人にとっても協力隊員にとっても、それぞれの思いだけではどうにもならないことが山ほど立ちふさがり、悔しい思いを幾度も味わった。今後の協力隊員に有意義な活動をしてもらうためにも、良いことばかりだけではなく、行政に改善してもらいたい点など、包み隠さず報告したい」とも。5人の隊員のうち3人は今年9月30日までに任期満了を迎える。
開催時間は18時15分~20時40分。入場無料。問い合わせは長崎市地域振興課(TEL 095-829-1285)まで。