漫画「ペコロスの母」岡野光江さん死去-91歳、老衰で

劇中で母「みつえ」を演じる赤木春恵さん(左) ©映画「ペコロスの母に会いに行く」製作委員会

劇中で母「みつえ」を演じる赤木春恵さん(左) ©映画「ペコロスの母に会いに行く」製作委員会

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 長崎市在住の漫画家・岡野雄一さんの母、岡野光江さんが8月24日、老衰のため入所先のグループホームで亡くなった。91歳。

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 光江さんは熊本県天草市の農家で10人兄弟の長女として生まれた。戦後、長崎市内の会社に勤める岡野悟さんと結婚。1950(昭和25)年に長男、雄一さんを出産した。東京の出版社で漫画雑誌の担当者などをしていた雄一さんが40歳の時、離婚をきっかけに3歳の長男を連れて長崎に戻ってからは雄一さん親子と同居。2000(平成12)年、夫の悟さんが亡くなった後に認知症を発症。2006年に長崎市内のグループホームに入所した。

 雄一さんは認知症の母親との日常の光景をコミカルなショート漫画やイラストなどで描き、自分が編集長をしていたタウン誌や広報誌などで発表。光江さんが母「みつえ」として登場するユーモラスながら切ない作品は、着実に「ペコロスファン」を獲得していった。2012年1月に自費出版した「ペコロスの母に会いに行く」は500部の初版が短期間で完売。西日本新聞社から商業出版化されて現在は20万部を超える。

 2013年11月に全国公開された同名映画は「キネマ旬報ベスト・テン」日本映画部門第1位をはじめ、数多くの映画賞を受賞。「みつえ」役を演じた赤木春恵さんは「世界最高齢での初主演女優」(88歳175日)としてギネスブック世界記録に認定された。劇場公開が終了して半年以上経過した現在でも全国各地で自主上映会が行われている。長崎県内では小値賀町(8月28日)、長与町(8月30日)、時津町(9月26日)、佐々町(10月10日)で上映会を予定する。

 通夜は25日19時から、告別式は26日正午から「平安社 長崎斎場本館」(長崎市光町)で行われる。喪主は長男、雄一さん。

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