長崎市立図書館(長崎市興善町)で2月1日、「ながさきFプロジェクト」成果報告会が開かれた。主催は長崎県男女共同参画室。
女性が生涯にわたり自分の生き方や働き方を主体的に選択しながらキャリア形成する意識の啓発を目的として県が取り組む同プロジェクト。プロジェクト名の「F」は「Future」(未来)、「Find out」(見つけ出す)、「Female」(女性)を表しており、輝きながら働く女性を見つけ出し、これから社会に出る女子学生たちが未来の手本にしようという意味を込める。
昨年7月、県内の大学や短大から参加を希望する学生を募り、各校から推薦された女子学生メンバー17人が8月18日の基礎研修を皮切りに約3カ月かけて、県内のロールモデル(手本となる社会人女性)を取材。編集ミーティングやロールモデルとの交流、振り返り研修などを経て1月下旬、冊子「ロールモデル集」を完成させた。
同冊子は「組織の中で働く」5人、「経営・起業で働く」7人、「地域の中で働く」6人の3章で構成。たちばな信用金庫(諫早市)主任の岩永千春さんや、ジャパネットたかた(佐世保市)JT秘書課の太田和美さん、佐世保玉屋(佐世保市)社長の田中丸弘子さん、田中米穀店(雲仙市)の田中裕子さん、浦川酒造(南島原市)杜氏見習いの長池梓さんなどが紹介されている。2500部を制作して同報告会で配布したほか、大学や県内各市町、関係企業などへ配布する。
成果報告のプレゼンテーションは、長崎大学、長崎県立大学、長崎ウエスレヤン大学の学生で構成する「チームAMI」、長崎外国語大学、長崎純心大学の「チーム Brilliant Girls」、活水女子大学、長崎総合科学大学で構成する「チーム Carpenters」、長崎国際大学、長崎短期大学の「チーム Sasebo」の順で行われた。
「チームBrilliant Girls」の大上飛鳥さん(長崎純心大学)は「当初、何ごとも諦めていた自分がいた。自分にとってはFプロが最初のチャンレンジ。活動を通じて、自分の意識を変えられるのは自分だけだということがわかった」と話す。「チームCarpenters」の山崎由理子さん(活水女子大学)は「仕事と家事の両立ができるのか、自分の問題としても不安に思っていた。ロールモデルの人たちが工夫しながら両立させていたのが参考になった」とも。
学生の成果発表の後はロールモデルによるパネルディスカッションが開かれ、五島の観光ガイド団体代表の梅木志保さん、長崎文化放送報道制作部副部長の大嶋真由子さん、コワーキングスペース共同代表の川嵜昌子さんの3人が、コピーライターの竹中晴美さんの軽妙な司会で育児休暇を取った時の苦労や、男性並みの長時間労働と子育てとの両立、女性の活躍で社会はこれからどう変わるかなどについて話し合った。
竹中さんが「最後にそれぞれ女子学生へエールを送ってほしい」と促すと、梅木さんは「これから夢と希望でキラキラだろうが、完璧はあり得ないので苦しい時は恥ずかしがらずに助けを求めること。チャンス、チャレンジ、チェンジの3つのCを大切に」と笑顔を見せた。大嶋さんは「働くことも、家事も欲張っていい。助けてくれる人は必ずいる」と自らの経験をベースに語りかけた。川嵜さんは「本当はこうなっていたいと思うことを思い切ってやろう。ビジョンを持って行動すれば必ず実現する。深く考えるより、得意なことをみんなでやればいい」と締めくくった。
ロールモデル集は同室のホームページからダウンロードできる。