![決定したグランプリ作品](https://images.keizai.biz/nagasaki_keizai/headline/1423658663_photo.jpg)
長崎・新大工町商店街のカフェレストラン「チェントアニ」(長崎市新大工町、TEL 095-824-9944)が募集していた「トルコライス春巻」(通称=トルハル)のキャラクターデザインが決定した。
トルコライスは一皿に「ピラフ」「ナポリタンスパゲティ」「トンカツ」が盛り付けられた長崎の名物料理で、多くの飲食店が提供している。1950年代に長崎市内の飲食店で誕生したとされるが、名前の由来を含めて諸説存在するため真相は不明。名称に「トルコ」の国名があるが、同国は豚肉を禁忌するイスラム教徒が多数を占めるため類似した料理は存在しないという。
トルハルを考案したのは同店を運営する「Mon-Ami」グループ飲食事業部統括部長の須川昌彦さんが率いるスタッフたち。「イベント販売に何か長崎らしい食べ物を出したい」と考えていた須川さんらはトルコライスに目を付け、3つの食材をまとめて一口サイズにする実験を開始した。最初はコロッケのようなものをイメージしたが失敗に次ぐ失敗。ある日、「春巻きで巻いたらどうか」というアイデアが飛び出したことがきっかけとなり、食材の配分、揚げる温度など細かい条件を整えながら試作を繰り返した結果、着手から4カ月かけてようやく「トルコライス春巻」が完成。商品名が長いため、スタッフらはいつの間にか「トルハル」と呼ぶようになったという。
キャラクターデザインの課題は「兄のトル君と妹のハルちゃん」という設定。募集期間は昨年12月18日~1月18日までの1カ月間。全国から集まった応募作品の中から大阪市在住のデザイナー・前田昌克さんの作品がグランプリを獲得。賞金5万円が贈られた。
「トル君は見かけによらず大食いでトルコライスが大好きな男の子。ハルちゃんはスティック感覚のトルハルが大好きで、おしゃれな女の子というイメージでデザインした。このキャラクターが長崎のシンボルになって多くの人に愛され、長崎の食文化に少しでも貢献してくれれば」と前田さん。
須川さんは「今後、トルコライス春巻のイメージキャラクターとして2人が全国各地を飛び回る。3月には東京進出が決定している。土産品のパッケージでも活躍する予定だが、ラインスタンプやインターネット上でのコマーシャルもこれから展開する。でも一番大切な役割は、長崎から全国にトルコライスの存在を発信すること。少しでも長崎のために役立てばうれしい」と力を込める。
トルコライス春巻の価格は1本300円。