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夏休みの子どもたちがフィンランドに研修旅行 長崎の学習塾が企画

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【旅行に参加した(左から)代表の牛津理美さん、牛津朔太郎さん、池田虹帆さん、田中和子さん】

 

 長崎の学習塾「学習アトリエCOR」矢上校(長崎市矢上町)と長与校(長与町)の生徒6人が8月19日から30日まで、フィンランドを訪れた。

 

内容言語統合型学習「CLIL(クリル)」による英語教育や長崎が被爆地であることから平和学習にも力を入れている同塾。フィンランド訪問は塾を運営するNPO法人「conpeito」代表理事で日本CLIL教育学会の会員でもある牛津理美さんが「CLIL発祥の地であるヨーロッパの教育現場を体験したり、現地の子どもたちと交流したりする機会を設けたい」と、同国で行われる学会に合わせて研修旅行を企画した。

 

 旅行には同塾に通う小学生2人、中学生3人、高校生1人が参加。牛津さんと参加した小学6年の田中和子さんの父親で、今回プライベートで参加した田中祐介さんが引率して東京経由の直行便でフィンランドへ向かった。首都ヘルシンキに降り立った一行は、隣国ロシアがウクライナと戦争状態にあることからフィンランド国内も緊迫しているという心配もあったが、田中さんは「空港でも街なかでも戦争が迫るような緊張感はなく、むしろ日本よりゆったりしていると感じられるほどだった」と話す。

 

 ヘルシンキでは国会議事堂や図書館などが並ぶ中心市街地を見学。中学1年の池田虹帆さんは「フィンランドは山がなく、高い建物もオフィス街の一角だけで昔ながらのレンガ造りのおしゃれな街並みが印象的だった」と振り返る。フィンランドの国会議事堂は図書館と同じ高さに併設されており、図書館は先進的で近代的なデザインとなっていることから、「古い街並みの市街地と対照的だった」とも。

 

 その後、一行は鉄道で学会が開かれるセイナヨキを目指した。現地では小中高それぞれで授業を見学。訪れた小学校ではウクライナから避難してきた子どもたちもいた。日本から持ち込んだ折り鶴や折り紙でコミュニケーションを取ろうとしたが、ウクライナの子どもたちはフィンランドに来たばかりでフィンランド語も英語も話せない状態だったという。それでも身振り手振りで折り鶴の作り方や平和を願う意味があることを説明し、笑顔で打ち解け合う光景が見られという。

 

ウクライナの子どもたちに折り鶴の作り方を教える様子

 

 子どもたちはシティーホールや図書館で、学会に参加している教員らに向けて原爆についての講演を行った。講演内容は6月に聞いた大島義信さんによる被爆体験の講話や長崎市が小中学生向けに作成した冊子「平和ナガサキ」を元に子どもたちが英訳して説明書を作成。資料を元に全員が発表を行い、資料は訪問した学校や図書館などに配布して、誰でも見ることができる状態になっているという。

 

原爆についての講演を行う子どもたち

 

 現地では、スーパーの値札を見て為替などを考えながら、必要なものを自分たちで買い求める子どもたちの姿に感銘を受けたという牛津さん。「新型コロナウイルスの感染状況やウクライナ情勢など難しい状況の中でゼロから旅行を企画した。帰ってきて、子どもたちから『楽しかった』『行って良かった』という声を聞くことができ、企画して良かった」と笑顔を見せる。

 

シティーホールでの講演後の記念写真

 

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