仏・凧揚げ大会のサイトが長崎の凧職人と書道家を紹介 

大会に寄贈する凧(ハタ)を持つ福山嘉人さん

大会に寄贈する凧(ハタ)を持つ福山嘉人さん

  • 0

  •  

 フランス西部、ノートル・ダム・ド・モンで開催される凧揚げ大会「A TOUT VENT!」の専用ホームページに6月、長崎から参加する凧職人と書道家らが写真付きで紹介された。

[広告]

 同大会は毎年4日間の会期中に仏国内外から6万人ほどが訪れる人気のフェスティバル。日本では見慣れない形のカラフルな凧が数多く揚げられる砂浜の会場は、日本の凧揚げ大会とは大きく雰囲気が異なる。13回目となる今年は7月3日から6日まで開かれ、来年4月に行われる「凧揚げ世界大会」の出場権をかけた予選会も兼ねる。毎年、数多くのメディアが取り上げるという。

 長崎凧(ハタ)専門店「大守屋」(長崎市古川町)店主・大久保学さんと、書道スタジオ「Start」(中町、通称=ショスタ)店主・福山嘉人さんは、同大会に関わるフランス人・工芸作家のリオネル・ロイさんから大会に招待された。大久保さんは凧作りや凧揚げの指導や実演などを披露。福山さんは書道の指導や実演を行う。2人は大会前にも近隣の小学校などで子どもたちを指導。6月27日に出発し、帰国までおよそ2週間を予定する。

 紹介はフランス語で「日本人凧作りマスターを招待」というタイトルで始まり、大久保さんが日本の「凧作りマスター」の一人であり、日本(実際には主に長崎市内)では凧は誕生日などお祝いのイベントで利用されるなどと紹介。大久保さんの簡単なプロフィールとともに「幼いころから自分の凧を作る夢を持っており、現在は自分の店・大守屋を営んでいる」とも。今回のフェスティバルでは大久保さんの作品を見る機会があり「凧揚げの実演も行う」と結ばれている。

 福山さんについては、鹿児島出身の若者で幼いころから書道を学び、学生時代に書道を教える資格を取得したと紹介。2013年に長崎市内で書道スタジオをスタートし、書道家としても活躍していると説明する。

 当初は大久保さんと福山さんだけで渡仏する予定だったが、ショスタで指導する書道家・山下草碧さんも同行することになり、山下さんについても紹介されている。幼いころから書道を学び、数々の受賞歴を持つ山下さんの特技は「フランス語」。山下さんは福山さんとともに書道の指導を行い、大会事務局が派遣する通訳とともに通訳も引き受ける。

 福山さんらは現在、渡仏費用に充当するためのクラウドファンディングを行っている。支援金額に応じて凧や手ぬぐいなどが提供されるもので、最高金額10万円で「一銭凧」150枚をフランスの子どもたちにプレゼントするコースも用意する。支援にはクレジットカードが必要で、「支援したいがクレジットカードを持っていない」という声が多かったため、大守屋とショスタの店頭で直接現金を預かり、代理登録するサービスも始めた。

 締め切り時刻(7月5日23時)までに支援金額が100万円に達した場合のみ決済される仕組みで、6月11日時点の達成額は39万3,000円。

 福山さんは「現地で教える子どもの材料を全部日本から持ち込むことができない。現地での調達金額や渡航費などを計算してみて、その金額に自分たちも驚いた。クラウドファンディングに挑戦するのは初めてだが、その成否によって大守屋さんもショスタも帰国後の店舗経営への影響が大きく異なる。せっかくもらったチャンスを生かしたいので、ぜひ応援してほしい」と呼び掛ける。

  • はてなブックマークに追加
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース