長崎県立盲学校(時津町西時津郷)は3月29日、視覚障がい者の自立コミュニケーション支援システムを導入した。
自動認識ソリューション事業を手掛ける「サトー」(東京都目黒区)が開発した同システムは、他社が開発した1.6インチサイズの小型ウエアラブルデバイス「BL-01」とビーコン(位置をはじめとする各種情報を取得するための設備)で構成され、職員、生徒、来校者がビーコン付きの名札を所持し、校内の障害物などにもビーコンを設置する。生徒が周囲の状況を知りたい時には、装着したBL-01を3回叩くと、骨伝導ヘッドセットを通して誰が周囲にいるのか、何が近くにあるかを生徒に音声で伝えるため、自分で周囲の環境を認識することができる。
同校の小笹俊則教諭は「社会的弱者に対して『してやる』文化から『自力による情報獲得』文化への社会的成熟につながるシステムであり、視覚障がい者と晴眼者との新しいコミュニケーションスタイルの確立が期待できる。課題を改善することで、視覚障がいのある教師、生徒を喜ばせたい」と話す。