長崎大学で寄付講座 人材育成のプロが学生に講義

パーソナルカラー診断中の白川さん

パーソナルカラー診断中の白川さん

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 長崎大学経済学部講堂(長崎市片淵4)で6月1日、労働団体による寄付講座が開かれ、人材育成企業「Ash」代表取締役社長の白川鮎美さんが「外面・内面・精神面を磨いて魅力ある社会人へ」と題して約300人の学生に講義した。

受講生の様子

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 寄付講座とは団体などからの寄付によって実施される講座。2014年3月に連合長崎(日本労働組合総連合会長崎県連合会)と同学部が協定を締結して3年間実施するもので、連合長崎と長崎労働局が講師を招きオムニバス形式で開講する。主に働く現場の課題や問題点、労働組合の果たす役割など卒業後の学生の進路に役立つ内容で構成される。

 講師の白川さんは佐世保出身。佐世保工業高等専門学校(佐世保市、通称=佐世保工専)で化学を専攻してIT業界へ就職するが、ネイルアートの世界に魅了されて美容コンサルタント会社に転職した。その後は10年にわたり多くの女性を育成。地元・佐世保から「ミス・ユニバース」日本代表を輩出するプロジェクトチームに携わった白川さんは、辻恵子さんや宮本エリアナさんをスカウトして世界の舞台に送り出した。人材育成企業「Ash」を2015年4月に立ち上げ、人を魅力的にするためのサロンやセミナーの運営を行っている。

 冒頭で「希望する就職先は長崎か?それとも県外か?」と学生らに質問。意見は分かれ、県外出身の学生は「出身地に帰りたい」と答えた。白川さんは自身の経験に触れ、「地元が好きで海が好き。大村湾の景色に癒やされる」にもかかわらず、地元に戻った当初は「正直つまらない」と感じたことを明かした。「自分が暮らす場所を好きな場所にしたいと思ったら、まずは自分自身で魅力的な場所に変える努力が必要」と語り掛けた白川さんは、「魅力的な人を増やす活動は、そこに繋がっている」と自身が今の仕事を選んだ動機を説明した。

 続いて「魅力的な人とはどんな人か?」と白川さんが問い掛けると、学生らは「自分にできないことができる人」「容姿が綺麗な人」などと答えた。美容のスペシャリストとして「内面」「外面」「精神面」の3つを同時に伸ばす大切さに触れた白川さんは、自身がサロンで取り入れている手法を紹介。「面接会場では、あなたが一言もしゃべらないうちに面接官は判断している可能性がある」と話し、魅力的な印象を相手に与えることの大切さを学生に説き、「印象は一瞬で決まる」と結んだ。

 好印象を与える手法「パーソナルカラー診断」を紹介するコーナーでは、学生をステージに招いて実際に診断を体験させた。同診断は、人が持つ色素を基準に暖色系の春・夏と、寒色系の秋・冬の4タイプに分けて似合う色を探すもので、「自分自身に合うパーソナルカラー」を服や身の回りに使うことにより、相手に肌のトーンが明るく、健康的な印象を与えることができるという。カラーの布をステージに上がった学生に当て、それぞれの似合う色を発見しながら印象が変化していく様子に、壇上の学生も受講する学生らも驚いていた。

 終盤で「あなたの人生を変えるのはあなた自身」と呼び掛けた白川さん。「人生を変えるためには、一歩踏み出す勇気が重要」と訴え、学生らの未来にエールを送った。最後の質疑応答では一人の学生が「人を変えるためにどうしたらいいか?」と白川さんの仕事について質問した。白川さんは「説得したり強制したりすることは良くない。どのような問題が現在あり、本人がどう変わりたいのかをしっかりと把握して手助けする姿勢が大切」と回答し、「物事の本質を見抜く大切さ」を説いた。

 2016年度前期講義日程では毎週水曜3限(12時50分~14時20分)に全15回の寄付講座が開講される予定で、週替わりで講師を招く。一般聴講も可能だが事前予約が必要。

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