長崎の老舗文房具店で「万年筆コレクション」 1本200万円の万年筆も

さまざまな色を試し書きできる「カラー・バー・インク」

さまざまな色を試し書きできる「カラー・バー・インク」

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 1883(明治16)年創業の老舗文房具店「石丸文行堂」(長崎市浜町)6 階で4月28日、「万年筆コレクション 2017」が始まった。

復活するチェルヴィニア

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 PILOT、プラチナ、セーラー、LAMY、Pelikan、STAEDTLERなど、国内外メーカーの万年筆を集めた同イベント。

 目玉は、生産終了から約80年を経て復活するブランド「チェルヴィニア」で、現在先行受注販売を行っている。

 第二次世界大戦の戦火と、ドイツによる検閲から逃れ、老舗の万年筆専門店の地下室に保管されていたセルロイドボディの万年筆を、2014年にチェルヴィニア創業者の甥で店主のジョヴァンニ・ボリオーネさんが店の地下室から発見した。万年筆の命とも言えるペン先を復活させるため、1950年代に廃業した万年筆ペン先メーカー「Globus社」の商標権と工作機械を全て買い取っていたイタリアの万年筆収集家で実業家のマウリッツィオ・バスキーさんとボリオーネさんが出会い、同年に復活プロジェクトを立ち上げた。

 石丸文行堂の成田智也さんは「予約を受け付ける4種類全てが本数限定品で、うち1種類は世界限定15本の貴重品。1本13万円ほどだが初日から複数の注文をいただいている。セルロイドボディは光を当てると色が変化する。ぜひ独特の世界観と歴史を感じていただければ」と話す。

 会場内の試し書きコーナーでは、多彩な色の同店オリジナル万年筆インクを楽しむことができる。西田隆治店長は「担当スタッフが手作業で160種類のインクをそろえた。4時間以上楽しんだお客さまもいる」と話す。

 来場者の中には初めて万年筆を手にした人の姿も多く見られ、「書き味が細字と太字でこんなに違うとは思わなかった」「ペン先のデザインがメーカーで全然違うのがすごい」「ボディのデザインに心奪われた」などと話していた。

 会場ではこのほか、「筆圧測定診断」、自分で万年筆を組み立てたり簡単な構造を学べたりする「万年筆組み立てワークショップ」、メンテナンスや持ち方などを指導する「万年筆セミナー」などを行う。

 開催時間は10時~20時。入場無料。5月7日まで。

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