茂木港(長崎市茂木町)と富岡港(熊本県苓北町)を結ぶ高速船を利用する観光客を対象に同町が6月1日、電気自動車の無料レンタルを始めた。
同町によると、江戸時代から帆船や手こぎ船による富岡と茂木との往来の歴史があり、1884(明治17)年ごろ蒸気船が就航したという。1987(昭和62)年から安田産業汽船がフェリーと高速船を就航させたが、利用者減少に伴い2004年11月にフェリー、2006年3月に高速船が撤退。2006年4月から同社が苓北町営フェリーの指定管理者として運航を継続し、2011年10月に高速船に切り替えたが利用者減少は止まらず、2013年10月末で廃止された。
2013年9月に旧苓北町漁協役員らが設立した苓北観光汽船は、2014年4月に新造高速船「KIZUNAII」を同航路に就航させ、片道45分で1日4便を運航している。船名は旧町営フェリー「きずな」を踏襲したもので、同町の広報誌「きずな」ともリンクしている。
天草宝島観光協会によると、同町の観光名所「おっぱい岩」は海水の力によってできたと思われる変形岩で、女性の乳房にそっくりな形から命名された。触ると「胸が大きくなる」「母乳がたくさん出る」などのうわさがあるという。普段は海水の中に沈んでいるため干潮時しか見ることができない。
電気自動車は茂木港から高速船を利用する観光客を対象に、利用後のアンケートへの回答を条件として軽自動車(4人乗り)1台、普通自動車(5人乗り)1台を無償貸与する。利用希望の前日までに富岡港(TEL 0969-35-0705)に電話予約し、利用当日に富岡港で貸し出し手続きを行う。貸し出しから返却までの利用時間帯は7時~18時(1予約につき1泊2日まで)。島内にある充電施設での充電費用は利用者が負担する。
同町役場企画政策課の武林智成さんは「長崎と苓北町は長い『絆』の歴史がある。長崎の窓口から苓北の自然を楽しみに来てほしい」と話す。来年3月30日まで。