長崎在住の切り絵作家・namicoさんが製作中だった「不思議の国のアリス」をモチーフにしたスマホケースが10月5日に完成した。
幼い頃から切り絵や版画、影絵などに強い興味があったnamicoさんは、2009年に長崎で開かれた影絵作家・藤城清治さんの展覧会を訪れたことをきっかけに、切り絵作家になる決意をしたという。「子どもを連れて鑑賞したが、感極まって泣きそうになるほど感動した。子どもからは早く帰ろうとせかされた」とnamicoさん。
当初は影絵作家を目指したが、どうしても作り方がわからず断念。自身の子どもが保育園で使っている工作材料などで研究しながら約4年間にわたる独学で切り絵技術を習得し、3年ほど前からようやく作品を発表したり、販売したりできるようになったという。これまでにインスタグラムなどのSNSを通じて「結婚式のウエルカムボード」など、北海道から鹿児島まで多くの人たちからオーダーを受けてきたという。
namicoさんは「切り絵は細い線でつながっていないといけないので難しいが、それがたまらなく楽しい。好きなことをしながら人に喜んでもらえるのは最高」と笑顔を見せる。
「不思議の国のアリス」は英国の数学者・チャールズ・ラトウィッジ・ドジソンが、ルイス・キャロルのペンネームで1865年に発表した児童小説。幼い少女・アリスが白いウサギを追いかけて、さまざまなキャラクターに出会いながら冒険する物語。キャロルが知人の少女に即興でプレゼントした物語がベースになっているという。同作は作家の死後50年以上経過しており、オリジナル版の図案についてはすでにパブリックドメイン(著作権切れ)となっている。
今回のスマホケースは背景がグリッターになっており、ケースを動かすたびにキラキラ光る。同商品は手作り作家のサイト「minne」で販売している。価格は3,500円。