長崎大学文教キャンパス(長崎市文教町)学生会館で10月17日、県外出身の学生と県内企業経営者たちが共同で企画する「縁JOYプロジェクト」の第1回会合が開かれた。
同プロジェクトは長崎振興局(大橋町)管理部長の坂本剛さんが、県の企画として敷地が隣接する長崎大学に呼び掛けたもので、県内に若者が定住するための取り組みの一環。学生と県内企業が相互協力して地域への就職や起業家を生み出す土壌を作りながら、若者の定着を目指す。企業関係者への呼び掛けは、同大学前工学部長で地方創生推進コーディネーターを務める石松隆和さんが行った。
会合には坂本さんや石松さん、県と大学関係者のほか、県外出身の男子学生3人と企業経営者など4人が出席。坂本さんが「一番の主役は学生。県として期待される効果は示すが、内容は企業と協力しながら自由に決めてほしい」とあいさつした。
坂本さんによると、同プロジェクトを通じ期待される効果は、「にぎわいのある街」「商店街の活性化」「県産品の地域内消費拡大」「交流人口の拡大」「長崎にとどまる理由作り」「県内企業の魅力発信」の6つという。
学生側は環境科学部3年の伊藤大悟さん(愛知県出身)、企業側はカトリープロモーション(栄町)社長の柿田紀子さんをそれぞれリーダーに選び会合が始まった。
経済学部4年の山本拓哉さん(熊本県出身)は書記を担当。議論に沿ってキーワードをホワイトボードに記録した。「長崎に居たい理由」には、人や夜景、思い出などのキーワードが並び、交流イベントの熱量という項目には「ネットでは体験できない」と書き添えた。
日本海洋資源開発で6次産業推進部長を務める原山徹夫さんは、満月の夜に屋外で音楽と酒と食事を楽しむ「満月バー」長崎版を提案。全国各地に広がっている同イベントには、学生、企業それぞれからユニークで活発な意見交換が行われた。九州教具(大村市)社長の船橋修一さんは「若い人は失敗を恐れずチャレンジすること。僕は山ほど失敗した」と自身のさまざまな失敗エピソードを披露。銅座町商店街組合会長の城尾忠明さんも「失敗の数では船橋さんに負けない」と補足した。
最後のテーマは未定の「プロジェクト名」について。柿田さんが「人と人との縁(両手で円を描きながら)から始まるから、縁プロジェクトは」と提案すると、伊藤さんが「わくわくする要素を加えて『縁JOYプロジェクト』ではどうか」と返し、満場一致で決まった。
会合終了後は出島ワーフ(出島町)にある飲食店に移動し、全員で懇親会を行った。経済学部4年の福田征志さん(佐賀県出身)は「海外の若者に比べ、自分たちは打たれ弱いことを自覚していて、何とか変わりたいと努力している。人生の先輩方に囲まれたプロジェクトを活用して、ぜひいろいろなことにチャレンジしたい」と意欲を見せる。