長崎市と長与町の飲食店やパティスリーを中心とする14店舗で5月26日から、「びわスイーツフェスタ」が開催される。
イタリアンレストラン「Muggina(ムッジーナ)」(長崎市鍛冶屋町)のシェフ鈴木貴之さんのプロデュースで、地産地消を推進する地元飲食店が主体となって毎年開いている同イベント。参加店舗は和食・洋食・パティシエ・青果店など幅広いジャンルにわたっており、それぞれのアプローチでビワの味わいを引き立てたスイーツを提供する。使われるビワは茂木産の「なつたより」という品種で、大粒で甘みが強く、桃のような味わいが特徴だという。
ビワは唐から伝来したもので、日本に初めてもたらされたのが長崎といわれている。茂木を中心に長崎各地で栽培が盛んに行われ、長崎が日本一の生産量を誇る。初夏の訪れを告げる長崎の代表的な果物として親しまれている一方、「ビワのスイーツは地元の方にもまだまだ浸透していない。イベントを通じて、スイーツとしての楽しみ方も見つけていただければ」と鈴木さん。
ビワは傷むのが早い果物でもあり、コンポートなどに加工する施設を持つ店舗もある。長崎びわ産地活性化推進協議会事務局(JA長崎せいひ 茂木支店内)や長崎市水産農林部 水産農林政策課では、加工品の開発を後押しすることで生産者の出荷先を増やし、地域を全体的に盛り上げていくことも視野に入れ、フェスタの後援を行っている。
参加店舗のシェフも他店を訪れてスイーツを楽しむとともに、切磋琢磨(せっさたくま)して技術向上につなげる機会にもなっているといいう。鈴木さんは「地元の魅力を発信するきっかけになれば」と期待を寄せる。
6月10日まで。