長崎ブリックホール(長崎市茂里町)で7月21日、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」世界遺産登録支援ミュージカル「赤い花の記憶 天主堂物語」が公演される。
同ミュージカルは、プチジャン神父と大工棟梁(とうりょう)の小山秀之進を軸に、長崎居留地の旧大浦天主堂建設と信徒発見、浦上四番崩れ、日本におけるキリスト教復活と浸透の324年を描く物語。今回も横山浩平さんがプチジャン神父役で主演するが、それ以外は全て一般公募で、演奏はOMURA室内合奏団による生演奏となる。
初演は2012年にシーハットおおむらが企画した市民ミュージカル。その際、観劇した長崎自動車の社長、嶋崎真英さんが中心となり実行委員会を結成。同年12月には南島原市と熊本県天草市での公演が行われ、2015年に長崎ブリックホールでの公演が実現。2016年には2日間にわたり約2500人を動員した。
事務局長を務める江口満さんは「2016年公演で終わりにするつもりだったが、子どもたちから『もう一回やりたい』という声がすごかった」と話す。本気度を知るために、江口さんが「感想文を書いたら再演を考える」と言ったところ、1カ月で感想文が集まった。それを読んで心を動かされた江口さんは感想文を小冊子にし、市長や知事、その他関係者などに配り、協賛金集めなどに奔走し、再演にこぎ着けた。
江口さんは「稽古中に世界遺産登録決定の一報を受け、みんなで大喜びする一幕もあった。練習場所がなかなか確保できない状況の中で大浦小学校から体育館を提供してもらうなど、さまざまな場面で神のご加護を感じた」と話す。
「小学生だった子が成長し、中学生になり感慨深いものがある。子どもたちがステージに立った後どういう感想を言うのか楽しみ。本よし歌よし踊りよし、3拍子そろっているからこそ続けてこられた。10回も続いている市民ミュージカルは全国的に見ても珍しいと思う」とも。
14時と18時30分からの2回公演。チケットは前売り一般=2,000円、小中高生=1,000円、親子=2,500円(当日は各500円増し)