長崎県庁1階エントランスロビーで長崎デザインアワード2018入賞商品の販売会が12月12日~14日に行われた。主催は一般社団法人「長崎県物産振興協会」。
長崎デザインアワードは、豊かな地域・社会を実現するために県内で企画、開発されている商品の中から優れたデザインを選定・表彰し、県内の製造業のデザイン開発意欲やデザイン力の向上に寄与することを目的として長崎県産業デザインネットワークが2011年から毎年開催している。
販売会では、同賞を受賞した62アイテムを製造する企業に声を掛け手を挙げた40商品が一堂に並べる。来場者は商品を実際に手に取り品定めし、気に入った商品はその場で購入できる。4企業は即売会場で自ら販売を行い、訪れた買い物客に商品をPRしながら反応を確かめていた。
即売会を企画した同協会の松田清高さんは「長崎デザインアワードの受賞作品はこれまで県立美術館などで展示されることはあったが、即売会は初めての試み。優れた商品を紹介し販売促進につなげてもらうと同時に、作り手と買い手をつなぐきっかけになれば」と意気込みを話す。
島原で60年以上に渡りオーダーで服を仕立てる有限会社美乃本店の鹿田信雄さんは「3人の従業員でやっている小さな会社だが、同賞を受賞したことがきっかけで長崎市内百貨店での催事へ出店が決まり、多くの人に目にしてもらう機会につながった。想像以上に若い人に関心を持ってもらえることが分かり、制作に当たるスタッフのやる気にもつながっている」と喜ぶ。
雲仙・島原で採れた野菜をゆで上げ真空パックにした「マルニのまるゆで野菜」で金賞を受賞したマルニの社長・西田信介さんは「見た目はただの野菜かもしれないが、保存料や添加物を使用せず、ジャガイモにはデジマという品種を使うなど、素材にもこだわって野菜の味を楽しめるように工夫している」と商品をPRする。
松田さんは「これまでは優れたプロダクトを推し進めるための賞だったが、生産する企業にはしっかりと販売につなげてほしい。物産展の企画などで長崎の商品を県内外に紹介してきたからこそ、受賞商品の展示会なども企画していくことで後押しする役割を担っていければ」と意気込む。