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長崎大学で海外向けビジネスプラン競うイベント 実現に向け前進も

チラシを手にビジネスくんちをPRする李さん(左)小山さん(中央)、Durai Raj Pavithraさん(右)

チラシを手にビジネスくんちをPRする李さん(左)小山さん(中央)、Durai Raj Pavithraさん(右)

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 長崎大学で学生が主体となって県内企業と共に考案した海外向けビジネス計画を発表し、投資や同志を募るイベント「ビジネスくんち」が3月10日に開かれた。電子版お薬手帳アプリについて発表を行った「Meditech India(メディテック インディア)」が最優秀賞に輝いた。

スピーチを行うDurai Raj Pavithraさん

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 イベントを主催する同大学学生団体「長崎ブレイクスルー」は、海外市場を見据え事業展開ができる起業家やマインドの醸成を目的に活動。統括する同大学の松島大輔教授は「深刻な人口減少に加え、上場企業も消えてしまった長崎において、県内の大学生、高校生、インドの学生との国際連携によって新たな基幹産業を形成するためのプラットフォームを目指している」と話す。「イベントは単なるコンペやショーではなく、既成概念を打ち破る為の真剣勝負の場」とも。

 同イベントは1年間の取り組みの集大成という位置付けで、協賛する県内企業、国際産学連携の第一人者、訪日インド人高校生、長崎東高校や佐世保高専の学生のほか、一般市民などが参加した。9つのチームから、日本庭園の造園技術や精神の海外輸出や佐世保における若者定着とイノベーションの両立を目指した仕組みづくりについてなど、幅広い分野にわたって発表が行われた。

 学生代表を務める同大学環境科学部4年の小山菜々穂さんは「学生が『活動を通じて県内の素敵な企業さんと出会えた』と言ってくれたことがうれしい」と話し、「県内の人にもっと私たちの活動について知ってもらい、長崎の経済成長、就職や採用に悩む学生や企業の一助となれば」と思いを語る。

 勝利した「Meditech India」は、インドにおける処方箋の手書き習慣によって起こるトラブルを解決するため、お薬手帳アプリの開発と事業計画について発表した。チーム代表の薬学部1年李明恩さんは「事業計画立案に際して、特にインド市場の把握が難しかった」と発表に至るまでの苦労を話した。最優秀賞を獲得した同チームには後日賞金も贈られるといい、李さんは「ビジネスプランの実現に向けて今夏インドヘ留学する合間に市場調査などをしていきたい」と意気込む。

 2度目の開催となる今回は、初めての試みとしてインドから長崎を訪れている高校生によるスピーチも行われた。日本人学生による発表内容についてスピーチしたLightworkers Academy のDurai Raj Pavithraさん(14)は「インドと長崎が連携をしていくためには教育の場を活用することが重要だと思う」と話し、「個人レベルでの信頼関係を築くことが鍵になるのでは」と話す。

 イベント終了後、大会のバトンは次年度代表に受け継がれ、精力的に活動を継続していくという。

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