平和公園の平和祈念像が3月19日、塗装補修工事を終え、解体された足場から約2カ月ぶりに真新しい青銅色の姿をのぞかせた。
長崎県南島原市出身の彫刻家北村西望さんが制作した同記念像は、被爆10周年に向けた記念行事の一環として、1955(昭和30)年に同市が建設を計画した。
青銅製で高さ9.7メートル(台座を含めると11.36メートル)、重さ30トンの同像は、神の愛と仏の慈悲を象徴し、天を指した右手は「原爆の脅威」を、水平に伸ばした左手は「平和」を、軽く閉じたまぶたは「原爆犠牲者の冥福を祈る」思いが込められている。長崎市民の平和への願いを象徴するものとして、毎年8月9日の原爆の日には像の前で平和祈念式典を行い、全世界に向けた平和宣言を行っている。
被爆75周年となる2020年に向けて行っている同工事を管轄する長崎市地域整備1課によると、記念像の塗り替えは1999年度に行われた大規模な修復工事以来19年ぶりという。
今年1月28日から汚れを高圧洗浄で落とした後サンドペーパーで表面を磨き、全体を塗り直す作業を行っていた。現在は土台部分の補修を行っており、3月28日には作業を終えて元の姿に戻るという。
同時に行っていた園内にある平和の泉の捕修工事は、3月27日に終えるという。