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長崎で「竹明かり」ワークショップ 被爆三世と演出家ユニットが出会い実現

竹灯籠づくりを楽しむ井田さん親子

竹灯籠づくりを楽しむ井田さん親子

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 熊本を中心に全国で活動している竹明かり演出家ユニット「CHIKAKEN(ちかけん)」が5月3日、長崎市松山町にある爆心地公園でワークショップとトークショーを開催した。

トークライブ

 同ユニットは、2007年から続く「熊本暮らしひとまつり・水あかり」のデザインや制作指導をはじめ、熊本地震後は被災した市民や県外支援者とともに復興支援活動も行っている。

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 2016年には伊勢島サミット・配偶者プログラム夕食会会場の演出を手掛け、ヴィファーレン長崎主催のイベントで、長崎県立総合運動公園陸上競技場(諫早市)で竹のブランコを制作したこともある。

 竹明かりが「人と人・人とまち・人と自然」をつなぐ新たな日本の文化として受け継がれることを目指す同ユニット。材料となる竹林の整備や使用済みの竹を竹炭にして再利用するプロジェクトにも取り組んでいる。

 イベントを主催した長崎市在住の松永瑠依子さんは被爆三世で、高校生1万人署名をはじめ被爆者の子孫として平和を訴える活動を行ってきた。同ユニットと10年来の親交があり、竹明かりを使って長崎で平和を訴えるイベントを行いたいと考えていたという。そうした折、同ユニットは「自分たちのまちは自分たちの手で照らそう」を合言葉に全国約10カ所でキャラバンを企画した。地域別にクラウドファンディングで資金調達を行い全ての地域で達成。松永さんは長崎会場の主催者として運営を任されたという。

 当日は15時からワークショップ、16時からトークショー、17時からワークショップの第2部が行われた。

 長崎市から家族5人で参加し、竹灯籠作りを楽しんだ井田さんは「普段、電動ドリルを子どもに使わせるようなことがないので、親子で一緒に体験する貴重な機会になった」と話す。娘で小学校2年生の愛海ちゃんは父・康志さんに見守られながら、弟の有星くんと一緒に竹に型紙を貼り付け、ドリルで一つ一つ慎重に穴を開けていた。竹灯籠が完成すると「初めての穴開けは楽しかった」とイベントを楽しんでいた。

 一時、にわか雨にも見舞われたが、隣接する平和公園の平和祈念像前に移動し、今回は周囲への安全も考慮してLEDランプで竹明かりに灯をともした。主催者の松永さんの呼び掛けで竹明かりを囲み、参加者全員で手をつないで原爆犠牲者に1分間の黙とうを捧げるとともに、平和な世界の実現を祈り締めくくった。

 「ちかけん」は、大学の「まつり型まちづくり」のゼミを受講した「ちか」こと池田親生さんと「けん」こと三城賢士さんを中心に結成し、2007年4月に竹明かりの演出制作・プロデュース会社として「ちかけん」を設立。現在は6人で活動を続けている。

 「自分たちの活動は、どこの地域でも取り入れやすく、誰でも参加しやすい。大分県臼杵市で開催している竹明かりでは、就職などで街を離れた人たちが毎年、竹明かりを開催するために戻ってくる動きが定着している。市民が枠組みを作ることができれば地域活性にもつながる」と話す。