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出島にスタートアップ交流拠点「コ・デジマ」 長崎出身のデザイナーが監修

CO-DEJIMA交流スペース前に立つ森さん(左)と吉田さん

CO-DEJIMA交流スペース前に立つ森さん(左)と吉田さん

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 出島交流会館(長崎市出島町)に3月26日、新しいビジネスアイデアやサービスを生むサポートを行うスタートアップ交流拠点「CO-DEJIMA(コ・デジマ)」がオープンした。

「バンコ」をモチーフにしたベンチやテーブル

 同施設は、アイデアを形にするだけでなく、創造的な協業やコミュニケーションの場として新しい文化とイノベーションを始めるスタートアップビジネス支援の場として長崎県産業振興財団が開設した。

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 コーディネート・ディレクションは長崎市出身でオンデザインパートナーズ(神奈川県横浜市)に務めるデザイナー・森詩央里さんが手掛け、アートディレクションやクリエーティブディレクションなども長崎在住や長崎出身のメンバーでチームを構成。椅子や座布団などはデザインを学ぶ大学生などにワークショップに参加してもらい、多くの人の手で作り上げたという。

 出島はかつて、唯一開かれた街としてチャレンジ精神あふれるイノベーターだったことから、「出島魂」を現代に蘇らせることをコンセプトにデザインしたという。「現代の出島」を色空間として再現したという内装は、「出島の画」をオマージュした絵を描き、絵に使われている色からインテリアやカーテンなどをあしらっている。施設内には斜面地の長崎に私設で設置されたベンチ「バンコ」をモチーフとした椅子やデスク、屋台が並び、骨董(こっとう)店などから探し出したというオブジェなどを置いている。

 施工を手掛けた吉田建設工業(島原市)の吉田安範さんは「限られた工期の中でも皆で持ち寄ったアイデアを大切に、よりいいものに仕上げていくことにこだわっている。施工という面では自分たちの仕事は終わったが、これからは利用者が使いながら目的に応じてアレンジし、育てていくことができる施設に仕上げることができた」と話す。わずか2か月足らずの工期の中で「ディレクションに携わった森さんは特にチーム間での調整に奔走したのでは」と振り返る。

 高校のインテリア学科を卒業後、福岡県内の大学で建築を学び、建築デザイナーの道に進んだという森さんは「好きなデザインより専門的な勉強がしたいと大学に進学した。建築を学ぶと長崎は魅力がコンパクトに凝縮された街だとより一層感じるようになった。今は修業のつもりで関東を拠点としているが、いつか長崎に関わる仕事がしたいという思いがあった」と話す。テーブルや椅子として設置したバンコは高さを変えることで周りが見渡しやすくなるように工夫を凝らすなど、交流が生まれやすい空間になることを狙って設計したという。「長崎には起業や街おこしなどチャレンジしたい人が多いと感じる半面、受け皿が少ないと感じる。この空間でアイデアや知恵を出し合うことでコミュニティーを形成するきっかけや起業につながればうれしい」と立ち上げに関わった思いを話す。

 同施設は会員登録すれば無料で利用できる交流スペースのほか、有料で入居すると24時間固定席として利用できるブース5つを備える。

 開所時間は12時~20時。日曜・祝日・月曜と年末年始は休館。

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