中国料理店「会楽園」(長崎市新地町、TEL 095-822-4261)が5月7日、ランチ・テークアウトの販売を始めた。
市内にある観光名所で三大中華街の一つ、長崎新地中華街の北門前に店を構える同店は中国福建省出身の先代が1927(昭和2)年に創業。長崎名物のちゃんぽんや皿うどんのほか、多彩な中華を提供する店として観光客だけでなく地元民にも親しまれてきた。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、1月24日~2月9日に開催された「長崎ランタンフェスティバル」でも客足は例年の半分にまで落ち込み、その後も国内で感染拡大が続いたことから観光客を中心に来店客数が激減していた。4月に緊急事態宣言が発令されると、中華街のほとんどの店が休業。5月6日に県内飲食店への休業要請が終了となったものの、多くの店が休業を続けている。
「従業員を守るため店内営業はまだ難しいが、中華街を元気にするためにできることから始めたい」と7日にランチ・テークアウト販売のみの営業を始めた3代目社長の林慎太郎さんは「このような長期休業となったのは創業以来初めてのこと。どうにかこの危機を乗り越えていきたい」と前を向く。
ランチ・テークアウトメニューは日替わりのほか、人気メニューのエビチリや酢豚、チンジャオロース、唐揚げとチャーハンをセットにした弁当(以上900円、チャーハンは白飯に変更可)を用意。皿うどんや中華丼(以上800円)、マーボー丼(700円)のほか、単品メニューのテークアウトにも対応する。
初日の7日は想定の4倍の売り上げがあり、翌日からは仕込みを増やして対応しているという同店。林さんは「これほど反響があったことに驚きを隠せない」と話し、テークアウトは利益度外視で通常より格安で販売していることから「中華街に足を運ぶ機会があまりない地元の方にも本格中華の味を楽しんでもらえれば」と期待を込める。
販売時間は11時~14時。注文を受けてから調理するため、電話で予約を受け付ける。